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「ウェポンチャンネル!」〜剣豪ギャルと鍛冶師のおっさんコンビで、有名ダンジョン配信者を目指します〜  作者: ジェイト
2章 剣豪登場!

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第16話 コンビニ2

毎週月曜日の朝に定期更新。

筆が乗ったら不定期に追加更新してます。

 電車に揺られて2時間あまり。

 空はすっかり暗くなり、街灯が点々と光っている。


 インゴットは最寄り駅から家までの帰り道にあるコンビニに立ち寄った。

 ダンジョン帰りはコンビニで夜食とつまみを買うのが彼の日課だ。


 コンビニは便利だが、その便利さに比例して割高だ。

 業務スーパーや格安店が帰り道にあれば良かったのだが、無いものねだりをしても仕方ない。

 インゴットは一人暮らしだが金遣いは荒く無いので、コンビニで贅沢をするくらいの余裕はあった。


 開いた自動ドアから入ると、顔見知りの店員からレジ越しに「いらっしゃいませ」と挨拶される。

 インゴットも軽く「どうもー」と返した。


 店内を物色し、自分の腹減り具合と相談しながら弁当コーナーを見ていく。

 今日はなんとなく麺類の気分だ。うどんとか、そばとか。ラーメンとか。


(マンドラゴラ天そば、オークラーメン……ふむ、どちらにしましょうか)


 片方は野菜多めのかき揚げそば。

 もう片方は豚骨系のこってりラーメン。


 そうだ、コンビニといえばレジ横のホットスナック。

 チキンでも買おう。


 そう思い立ったら、こってりオークラーメンとでは胃に負担がかかるので、マンドラゴラ天そばに決まった。


 後はアルコール度数の低めのお酒やら、生クリーム多めの甘いスイーツ、明日の朝ごはん用にパンなどを買い物カゴに入れていく。


 買う物も決まったのでレジに持っていこう、としたその時。

 レジの方から怒声が店内に響いた。


「てめぇ、なめてんのか!!!!! あぁ!!!?」


 インゴットもそうだが、コンビニ内にいた他の客もなんだなんだと様子をうかがう。

 正直な所、トラブルに巻き込まれずさっさと帰って食事にしたかったのでインゴットはげんなりした。


 レジの方を見ると、いつも軽く挨拶をする顔見知りの店員が、厄介な客──初老の男性に絡まれているようだった。


「あの、えと。年齢確認だけ出来ればいいのでぇ……。その……」

「はぁ!? 俺が未成年に見えるってーのか!? さっさと売れよ!!」


 なるほど。

 この手のトラブルは接客業の想定としてよく上げられるが、実際に見るのは初めてだな…と、インゴットは思う。


 レジに乗せられたカゴにはぎっしりと缶の酒が入れられていた。

 つまるところ、酒を販売する際の年齢確認で身分証明書の提示を求めたら、客が拒否した……といった所だろう。


「お前ら底辺はなぁ! 黙って俺の言うことを聞いてりゃーいいんだよ!! さっさと売れよ無能が!!」

「そっ……。う、うう……」


 男性はかなり酔っているようだ。

 理不尽な言葉を浴びせられた店員が、涙目になっている。

 ……これは、あまりにも。

 見ていて気持ちの良いものではなかった。


 インゴットは買い物カゴを床に置き、騒ぎ立てている男性の肩を背後から掴んだ。


「あぁ!?」

「その辺で。止めにしませんか。迷惑です」


 圧をかける。

 出来るだけ低い声で、ゆっくりと。


 気圧された男性は、しかし、まだ反発する。


「な、なんだお前! 誰だよ! つうかな、だいたい、この店員がさっさと売れば問題ねーんだよ!! 俺は悪くねぇ!」

「は?」


 短く。有無を言わさず。

 お前と会話する気はない、ということを言外に表す。


「うっ……」


 流石に旗色が悪いと思ったのか、あるいは酔いが覚めてきたのか。

 男性の勢いは落ちていった。


 それに畳みかけるように、コンビニ内にいた別の客達からも援護が飛んでくる。


「邪魔なのはてめーの方だろ!」

「レジ占拠してんじゃねーよ!」

「ひっこめ!」

「帰れ帰れ!」


「ぐ、ぐぐ……。ちっ、クソ店が!」


 捨て台詞を吐いたまま、男性は会計の済んでない買い物カゴを持ちながら、外へ出ようとした。

 ……が、それは屈強な男性店員によって阻まれる。


 ガッ、と。

 筋骨隆々でダンディーな店員は厄介客の両肩を掴む。


「お客様。どこへ行かれるのですか?」

「あッ……ひぃっ……」


「店員への恫喝(どうかつ)に、万引き。さて、貴方はもう客ではありませんね。それでは………………………………………二度と来るんじゃあねぇぞッ!!!!!!!! クソ野郎が!!!!!!!!!!!!!」

「ぎゃあああああああああ!!!!!!!」


 マッチョ店員は買い物カゴだけ回収しつつ、厄介客を店外に蹴り飛ばした。

 実に爽快。


 スカッとした所で、インゴットは目の前の顔見知りの店員に向き合い、心配する。


「……変な客に当たって災難でしたね。大丈夫ですか」

「はっ、はい。ありがとうございます()()()()()()()…!」


「………………ん?」


 この店員に名乗った覚えはないはずだが、何故か配信で使っているハンドルネームで呼ばれたインゴットは、首をかしげるのだった。



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