第13話 で、味は?
毎週月曜日の朝に定期更新。
筆が乗ったら不定期に追加更新してます。
「うな重がドロップしました!」
「お〜」
剣豪は痺れが治まった手で、軽くぺちぺちと拍手した。
ツンデレツインテ:運が良いわね!
無色210:確定ドロップか? ってくらい落ちるなぁ
ラン:日頃の行いっしょ
アチャチャ:人徳じゃい
コメント欄も喜んでくれている。
なんだか嬉しくなったインゴットは、先ほどエビフライを食べた時と同じ様にテーブルとイスをぱぱっと用意した。
インベントリを操作し、テーブルの上にデンキうな重(上)を出現させた。
一人前の重箱だ。蓋をパカッと開ける。
もわっとした蒸気と、美味しそうな匂いが立ち昇った。
米の上に白いウナギの身が横たわっている。
身の上には塩と山椒がふりかけられており、実に美味そうだ。
ウナギの焼き方にはざっくりと2種類あり、タレ味と塩味がある。
串に刺して焼くことからも、焼き鳥を想像すると分かりやすいだろうか。
うな重と言えば茶色いタレが塗られて、下の米にもタレ味が染み込んでいるものが一般的だが、今回は塩焼きのうなぎだ。
「塩……!」
「これは……! 美味そうですね……!」
エビフライの時も塩をかけると言っていた剣豪だ。ウナギの塩焼きにも目を輝かせていた。
インゴットもまた、思わずよだれが出そうになるほど目の前の光景に目を奪われている。
「剣豪さん、半分こしましょうか」
ここは公平に。
インゴットは割り箸を取り出し、ウナギの身と下の米を同時に切り分けていく。
「おっ……あー……。あーし、お昼は少なめにしてるから……! ぐぬぬ……」
糖質制限とか、そういうのだろうか。
健康診断で引っかかって以来、そういうのを気にしている30代のインゴットも、心の中で同意した。
……まぁ、シンプルにダイエットとか乙女心とかかもしれないが、そこに触れるのは野暮というものだろう。
「分かりました。それでは4分の1にしましょう」
「おっけー。ありがとー」
半分、その更に半分を切り分け、取り皿に乗せて剣豪に渡す。
いざ、実食。
「うまー!」
「おお……!」
山椒と塩の辛さが少し強めだが、ピリリとした辛さが舌に心地良い。
そしてふわりとしたうなぎの身と、米との相性が最高だ。
とにかく上手い。2人は無言で食べ進める。
治癒ネズミ:美味しそう…!
ツンデレツインテ:ランチデリバリー頼んじゃったわ
ラン:腹減る〜
アチャチャ:実況しろー
完食。ごちそうさまでした。
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