第10話 鍛冶師のおっさんと剣豪ギャル
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まず、インゴットは鉄鉱石を取り出す。
腰に付けたポーチからハンマーを出し、地面に置いた鉄鉱石に向けて振り下ろした。
「《鍛冶師》!」
土台の作成。
鉄で作った、無骨だが綺麗に光る金床だ。
そして、インゴットは現実世界から持ち込んだ、"ニジイロカネ"という七色に光る鉱石をインベントリから取り出す。
これは、難易度☆3ダンジョンをソロで攻略した時にモンスターからドロップした、希少かつ高品質な金属だ。
いつか使おうと取っておいた物であり、ここが使い道だと決めた物でもある。
「え、何この虹色の鉱石。ちょー綺麗じゃん」
「でしょう? さて、刀を」
「うい」
剣豪は金床の上に折れた刀と折れた刀身をそっと置く。
インゴットは折れた所を繋ぎ合わせる形でピッタリとくっつけ、その上にニジイロカネを乗せた。
ハンマーを振り下ろす。
「《鍛冶師》!」
ボワン、と白い煙が上がり、そしてすぐに晴れる。
金床の上には完璧に修復された芸術品のような刀があった。
──刀身が常に虹色に光っている。
治癒ネズミ:ゲーミング刀!?
ラン:wwwww
アチャチャ:盛れる!
無色210:なんだこの……w
(やっべ)
インゴットは内心焦っていた。
それもそのはず、このニジイロカネという鉱石を使うのは初めてで、ぶっつけ本番だったのだ。
見切り発車も良い所。
折角の配信だし、視聴者の方もそこそこいるので見栄えの良い綺麗な素材を使ったらウケるかもな〜というノリでしか考えていなかった。
「トトっち……これ……」
自前の刀をゲーミング刀に魔改造された剣豪の心境やいかに。
「マジ良いじゃ〜ん!☆☆☆」
好評だったようだ。
インゴットは目立たない程度に胸を撫で下ろした。
これで「よくもあーしの刀を!」とかキレられたらおっさんのメンタルは保たない所だった。
まぁぶっつけ本番の素材を使ったインゴットが100悪いのだが。
治癒ネズミ:なんだか、お二人のスキルって相性良いですね
治癒ネズミ:強いけど刀が折れる剣豪さんと、すぐに直せるインゴットさんで
コメントを読んだインゴットと剣豪は、確かに、とうなずく。
ソロでも戦えるが支援寄りなスキルのインゴット。
強力だが支援が必要なスキルの剣豪。
もし、この2人が組めば……?
「あーし達が組んだら、もしかして無敵だったり?」
「かもしれませんね」
──これが、後に大人気コンテンツとなる"ウェポンチャンネル!"の最古参コンビ、結成のきっかけであった。
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