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不戦勝

シエルとカインは

午後の実技授業を終え

クタクタになりながら寮へ帰る

「疲れたな〜」

同部屋のカインが背筋を伸ばす

「そう言えば明日の試合誰?」

カインがシエルに聞いたのは

去年の秋から始まった週末決闘の相手だ


週末決闘とは

週の始めに相手を知り

対策や作戦を練り週末に戦う授業だ


シエルは8戦全勝、

1年生のランキングで1位なのだが

それはアルバート抜きの順位だ

アルバートは新入生大会の決勝で

シエルに勝ち優勝した

その後、校長に好まれ

校長自らアルバートを鍛えている為

アルバートは学校では姿を見せなかった


「次は…ニレット・キャスナーだよ」

「ニレット?」

「あれ?覚えて無いの?エリートクラスで

去年の新入生戦闘魔法大会の本戦にも出てた奴で…」

「あー水魔法の男ね!」

「そうそう!」

「本戦出場者か…ま!シエルなら大丈夫だろ!」

「勝てると思うけど…油断しないよ!

カインは来週か?」

「そうなんだよねー俺も頑張らないとなーーーー



次の日、

シエルの相手であるニレットは学校に現れず

シエルの不戦勝となった…

数日後

ある問題が学校内で起こっていた

ニレットを始めとする有望なエリートクラスの数人が

行方をくらましていく…


緊急の全体朝会が終わり

午前の授業が自習となった

「シエル!今日も1人居なくなったらしいぞ」

「心配だね…あれモナカ…元気無いね」

「う、うん……、エリートクラスって事は…

アルバートもヤバいのかにゃ…」

シエルとカインは見合わせる

「(そっか、モナカはアルバートに

好意を持ってるから、心配なのか…)」

「アルバートは大丈夫だろ!校長も側にいるし!」

「そうだにゃ!きっと大丈夫だねゃ………はぁ…」



「わかりますわ…想い人が心配ですのよね……」

後からクリアが話に加わる

「私も最近、想い人から逃げられて憂鬱ですの…」

「にゃ!シエルまだ逃げてるの?」

「いや、逃げてるというか…なんというか…」

夏休みのダンジョンで死にかけた、あの日…

勢いで好きだと心が漏れてしまったシエル

クリアもシエルに好意を持っているのは聞いたのだが

気恥ずかしさからかクリアと距離を取ってしまった

一度距離を取ってしまった故に中々話しかけられずに

冬を越してしまっていた…

「もう逃げられないぜ」

カインは不適な笑みを浮かべて

シエルを教室の角へ連れて行く

「こんなにも待ってくれる人いないぜ?」

「そ…そうだね…俺も…本当はクリアと話したい…」

「じゃあ…こんなのはどうだ?」

カインはシエルに耳打ちして

モナカとクリアの元へ戻る


「ですわねー」

「にゃー!」

モナカとクリアは意気投合して

話が盛り上がっていた

「あのさ!クリア!」

「あら?久しぶりですわねシエルさん…」

「!…ごめん!逃げてて…」

モナカは両手を広げ首を振り

ヤレヤレと言いたそうである

「今まで、照れくさくて逃げてばっかだった本当にごめん……そのお詫びって言ったら変だけど、次は俺に

デートでエスコートさせてくれないかな、ちゃんと君と向き合いたいんだ…」

「……まぁ、いいですわ…」

少し意地悪な口調でデートを承諾してくれた


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