見える平和
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5年前…
シエルは15歳になり
父の教えや父の仲間たちに
魔王軍と戦えるよう鍛えられていた
5歳の時から剣術を学び
12歳で巨大なオークを倒す事に成功し
15歳では騎士団にも匹敵する実力を持っていたが
魔法は過去のトラウマで思うように伸びず
魔法の師である国家魔術師ノーステスに
中立魔法国家ドットラルで魔法を学ぶよう命じられる
シエルは1人船に乗り旅を楽しむ
今まで修行の日々だった為
シエルとって移動だけで
心が満たされていった
5日波に揺られ
やっとドットラルに降り立つ
この国は海に囲まれた島になっており
世界でも唯一魔族と人間族が暮らす
他にもエルフ、ドワーフ、
精霊、魚人、獣人族を始めとする全ての種が栄えるが
どの民も「魔法」という共通点で暮らしている
身分の違いはなく魔法だけが上下関係を決める
半日かけて海の街から
中央の魔法学校がある都市に移動し宿を取る
「お、入学かい?」
優しそうな猫獣人の宿のオバサンは魔法を使い
宿で振る舞うであろう料理の準備をしながら
受付してくれた
この街に住んでる人は皆、先輩で
学校を卒業後は
大抵、国に戻り仕事を求める
ここに残り仕事に付く
進学し新しい魔法の研究をする者だ
明日は入学式
人間族は15歳で入るのが一般的だ
乗ってきた船にもちらほら人間の同期がいた
夜、ベッドの上で目を閉じるも
少し緊張して寝れない
暗くした部屋はとても静かだか
怖さは無い
部屋から外をのぞくと
外はチラホラ灯りがついる
酒を飲んでる人たちが種を越えて
仲良くしている
温かな光景だった…
「平和」とはこの光景の事だろう
少し緊張がほぐれ気持ち良い眠気が襲う




