新入生戦闘魔法大会⑭
「惜しい!」
シエルとカインは
モナカの負けを悔しがる
「うーん、やっぱり…」
モナカの母、アンコはモナカが負けるのを
解っていたようであった
「お久しぶりです!先生!」
後から聞き覚えのある声がする
カレット先生とオリエン先生が
アンコに声をかけて来た
「お前達か…久しいね!今は二人とも先生かい?」
「はい!師匠!教員をさせて頂いています!」
カレット先生はいつになく緊張したいる
どうやらアンコさんは、
昔この学校で先生をしていたらしく
その教え子がカレット先生とオリエン先生らしい
「ところで…モナカが
アクセルプレストを使っていたんだが…
私は教えていないはずだよ…
どうして「獣道」のアクセルプレストを
覚えているのか…にゃ?」
アンコがカレット先生を笑いながら睨む
「すいません!モナカならコノ魔法を
扱えると思い…教えました!」
「やっぱり…アクセルプレストはクイックテンポより速い…が魔力消費が大きい、しかもそれ頼りにしてしまう輩が多い…」
「すいません!!」
「まぁいいわい!モナカに今後の目標できた事だし…許してやるにゃ!」
「感謝します!」
深々と頭を下げるカレット先生
オリエン先生が気を反らせようと話題を振る
「と、ところでノーステス先生は
来てないみたいですね…」
「ノーステス…」
シエルが反応を示す
「アイツはもうこの国には入らないだろうさ」
アンコが目をつむり水を飲む
「そういえばシエル君は
ノーステスと知り合いだね…
シエルを宿に泊めて欲しいと
電報が来ていたからね…」
「やはりそうか…シエルは
あの勇者ヨシヒト・サキムラの息子だったよね」
オリエン先生がシエルに語り始めた
「ノーステス先生はアンコ先生と同様に
僕達を教えていたんだ、
アンコ先生は近距離戦闘
ノーステス先生は遠距離戦闘担当だったよ」
「そーだったんですか…」
ノーステスの事について知らないシエルに
オリエンは昔話を続けた
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ノーステスは
ここで20年前先生をしていた
その評判を聞きつけある大国が
ノーステスを国家魔術師にスカウトしたのだ
それは魔法の適性はあるが使えない
異世界から転移してきた若いサラリーマン?の男
サキムラヨシヒトに魔法を叩き込んで欲しい
との事であった
大国が総力を上げて
その異世界人に経験を積ませていた
国家魔術師という名誉、
大国が出す魔法研究資金に
ノーステスは首を縦に振った
しかし、ノーステスが国家魔術師なって3年後
人間族と魔族との大規模な戦闘が起こる
ノーステスはヨシヒトと
他の仲間と一緒に戦争を停める
その時、活躍…いや大量に魔族を仕留めたのが
国家魔術師ノーステスであった
教員だった頃に、
オリエン等の魔族にも魔法を教えていた
ノーステスは人間族を…国家を…守る為
壊れていった…
魔族からは「死神ノーステス」と恐れられていた
ここ中立国家ドットラルにはノーステスは一切入らず
ドットラルの知り合いには音信不通を貫いていた…が
シエルが入国する一ヶ月前、アンコの元に
ノーステスから手紙が届いたのだった
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「そんな事があったんですね」
シエルは初めて聞いたノーステスの過去に驚く
「「わあああああああああ」」
会場に声が響く
どうやら次の試合、誰が出るか決まったらしい
対戦カードはFとAだった




