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新入生戦闘魔法大会⑬

シエルとカインは闘技場の客席に移動し

モナカの試合を見守る

「埋まってんなー…

おっあそこ空いてるぜ!シエル!」

「一番外側だけど見やすいね!」

2人は席に座る


しばらくして、

先生や2年生達が闘技場の客席前に等間隔で並び始め

闘技場にドーム型の魔障壁を張り始める


闘技場の中で神父ウェルが

ダメージを肩代わりする土人形を生成する

土人形は計4体

大会本戦は予選と違い、

土人形が2体壊れた方が負けとなる

制限時間は最大1時間、その後は

校長等のジャッジになるらしい


モナカとアルバートが呼ばれ

立ち位置に立つ


「大変お待たせ致しました!

新入生戦闘魔法大会本戦1回戦第1試合!

モナカ・ニャストラル対アルバート・ルシウス

試合を初めさせて頂きます!」


「うおおおおおお!」「アルバート!」

「イケイケー!」「モナカー!」

観客達が2人を激励する


「実況は私、セリア・ナッツがお送り致します!

では…お願いします!」


モナカとアルバートは互いを見つめ合い

呼吸を合わせる

「「よろしくお願いします」」


モナカはファイティングポーズをとり魔法を唱える

「クイックテンポ!!」

「おっと!まずはモナカ選手!得意な身体強化魔法を唱え戦闘体勢を整えた!間合いを詰める!アルバート選手は下がり距離を取ろうとしています!」


「アルバート選手!

翼を広げモナカ選手の一撃を空中で避ける!」

「ブラック…」

アルバートは口に火の魔力を込める

「させない!アッパーロック!」

地面から四角い岩の柱が何本も突き出す

「モナカ選手!アッパーロックを足場に空中移動しています!」


「アクセルプレスト!」 

「フレア!!」


「モナカ選手!さらに加速する!

アルバート選手!大規模ブレスを放ち迎撃します!」


「遅いにゃ!」

アルバートの後から現れ

カカト落としで地面に叩き落とす


「見えない速さで回り込みアルバート選手を地面に沈めるーー!アルバート選手の土人形にヒビが入っています!!」


「シャドードッペル…」

アルバートは直ぐに起き上がり闇魔法を唱える

「アルバート選手!2体の影の分身を作り出した!」

分身と共にモナカを取り囲む


「トルネード!」

「シャドースラッシュ!」

「ファイアボール!」


「取り囲んだ分身で一斉射撃だ!!

どうするモナカ選手!」


「ガトリングラッシュ!オーバー!」

地面に向けて攻撃を放つ

「すごい!モナカ選手!地面をたたき割り

岩の壁を形成し守りきりました!」


「ダークチェーン…」

どこから音もなく闇魔法の鎖がモナカを捕らえる

「なんということだ!分身がもう一体居ました!

計3体の分身とアルバートがモナカ選手を追い詰めます」


「にゃ!このニオイ!その分身もしかして…」

「そうだよ!ケルベロスを影人形に憑依させたんだ!

現れろケルベロス!」

3体の分身は一つにまとまり始め、

2メートルほどの首が三つある黒い犬、

ケルベロスに戻る

「なんと!分身が一匹のケルベロスに変わったー!」


「エンドクロー!!」アルバートの指示で

ケルベロスが動けないモナカに

闇魔力を込めた爪で一撃を加える

「これは!激しい一撃だ!モナカ選手の土人形が一つ破壊されました!」


ーーーーーーーー

「「モナカ!」」

カインとシエルはモナカのピンチに声をあげる

「ヤバい!」

カインが慌てていると後から声が聞こえる

「こんにちは!隣いいですか?」

シエルは聞き覚えのある声に振り向く

すると後ろにはモナカに似た

獣人族の女性が立っていた

「…あ!宿屋のオバサン!…モナカのお母さん!」

「お久しぶりですね!元気でしたか?」

「え?モナカの母さん?ども…ってかやべーよ!

モナカ負けるって!」

モナカの母、アンコはゆっくりとシエル達の横に座る

「あの子はまだまだ大丈夫ですよ」

アンコはニッコリ微笑む

ーーーーーーー


「終わりだ!ファイアボール!」

アルバートはケルベロスに火球を放つ

ケルベロスは火球を飲み込み吐き出そうとする

真ん中の頭が風魔法で火球を大きくして

両サイドが闇魔法で加工する


「ブラックフレア!」


「なんと!アルバート選手の黒炎は召喚獣との合体技でした!これは勝負あったかー!」


料理長コックさん!!」

モナカの前にコック帽とガントレット、

フライパンと長靴が現れ

ひとりでに動き出す…

まるで透明人間が居るような様子であった


「おーと!モナカ選手も召喚獣か?」


カンカーーーン

フライパンを2回叩くと

黒炎と闇の鎖をフライパンに収める

料理をしている様な動きをした後

フライパンから黒い玉を取り出しモナカに渡す


「これはおもしろい!

相手の魔法を調理してしまった!」


「頂きます!ング!苦いにゃ…」


「モナカ選手!食べたー!」


その瞬間モナカの周りに黒いオーラが現れる

そして、黒いオーラはモナカを包む


ーーーーーーー

「スゲー脱出した!モナカ大丈夫何ですか?」

「闇魔法のは見たこと無いね…」

「食べた魔法によって違うんですね!!」

シエルは驚きながらもワクワクし始めていた

ーーーーーーー

黒いオーラが弾けると

中から…少し成長したモナカが現れる

可愛らしかった容姿が

どこか品のある美しい容姿に変わっていた…

「クイックテンポ…」

モナカの姿が一瞬にして消える

アルバートはモナカを完全に見失う


「モナカ選手!容姿が変わった後消えました!」


次の瞬間

「キャン!!」

ケルベロスが吹き飛ばされる

ケルベロスがいた場所には

モナカが蹴りの体勢で止まっていた


「速い!速すぎる!モナカ選手!

召喚獣を蹴り飛ばしました!」


「楽しくなってきたわ…♪」

モナカはアルバートに視線を移す

アルバートはモナカの笑顔に恐怖を覚える

その瞬間またモナカは消えた


「ファイア…」

アルバートは魔法を唱えモナカを迎撃する

準備を整える…が

目の前にモナカが現れ認識した時には

アルバートはふっ飛ばされていた


「モナカ選手の蹴りが炸裂だー!アルバート選手の土人形が壊れました!これで両者残り一つずつです!」


吹き飛ばされたアルバートがケルベロスにぶつかる

「アルバート選手!壁の衝突は回避できたようです!」

ーーーーーーー

「モナカ強すぎないか?」

カインは冷や汗をかく

「アルバートも奥の手だして来るだろうね…」

「そうね、あの子強いよ…」

アンコはアルバートに感心している

ーーーーーーー

「行くぞ!ケルベロス!」

「「「バウ!」」」

アルバートはケルベロスを触る

「マトイ!」


「なにやらアルバート選手、ケルベロスを使って何か始める気です!」


アルバートとケルベロスは光り始め

光の玉は1つに重なる


「トドメ!♪」

モナカは光の玉に一直線に向かい

蹴りの体勢とる

「デスサイズ!!」

下から刈り取る様に蹴り上げる

「エンドクロー!」

光から手が現れ

モナカの攻撃とぶつかる


光の玉からアルバート1人現れる

その見た目は黒く、犬の獣人族の様だった

「アルバロス…ってとこかな…」


「カッコいいわね…タイプだわ♪」

モナカが頬を赤らめる…


「アルバート選手!ケルベロスと融合したーーー!」


「アクセルプレスト!!」

モナカはさらに加速し蹴り飛ばそうとする…が

「デッドエンドクロー!!」

アルバロスは完全に見切り両手で迎撃する


「お互いの攻撃がぶつかり合う!両者共に土人形にヒビが入ります!」


「まだ踊りましょう!♪アームズ!」

モナカ後から料理長コックさんが現れ

料理長のガントレットを装備する

「ガントレットガトリングラッシュ!」


同時にアルバートも動く

「トリプルバースト!!」

両手、口からエネルギー波を放つ

三つのエネルギーがねじれ、一つになる

ーーーーーーーー

「頑張って!アルバート!」

客席のアリシアも

他の観客同様声をあげる


「イッケーー!!モナカ!」

カインとシエルは声を張り上げ応援する

「…………」

アンコは静かに見守る

ーーーーーーーー

ガガガガガガガガガ

モナカがエネルギー波を押し上げ進む…


「コレは!ものすごい激突だー!

モナカ選手の連続打撃!

アルバート選手の規格外エネルギー砲!

ぶつかり合う!モナカ選手!押し上げています!」


しかし、途中で異変が起こる

成長していたモナカが元に戻り始める

魔力切れを起こしていた

「ニャニャ!もうダメ!」

エネルギー波に押し込まれ

光の中にモナカは消えて行く…


激しい光の衝撃の後、土煙が舞い上がる…

モナカがいた場所は土人形が大の字で広がっていた


「勝者!アルバート・ルシウス!」


「「うおおおおおおおおおおおおおおおお」」

観客達が拍手喝采し声をあげる


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