黒髪の少年少女
授業が終わり夕方頃
寮に戻るシエルとカインと
家に帰るモナカが歩いていると
反対側から黒髪の魔族の少年と
黒髪の美しい魔族の少女が歩いてくる
魔族はヒソヒソと耳打ちをしていた
「アルバート様、あの真ん中にいる方は
現勇者ヨシヒト・サキムラの息子…
シエル・サキムラです」
「アリシア…ここでは様をつけなくていい…
時期勇者候補か…」
「おいシエル!あいつらお前の事見てるぞ!
知り合いか?」
「いや…知らないよカイン…ネクタイは若草色…
同級生だね…」
「スンスン…え?あの男の子、
魔獣のニオイがするにゃ」
5人は通路の真ん中で立ち止まる
「そこの美しいお嬢さん?何か御用ですか?」
女好きなカインが話しかける
少し間が空き
「え?私ですか??アルバート様!いや、アルバート!
私って美しんですか???」
「割と整った顔をしてるんじゃないか?」
「そ、そーなんですね…」
「いいえ、特には用は無いのですが…
珍しい方がいたので…」
魔族の少女はシエルを見つめる
「お前って珍しい方だったの?」
カインとモナカもシエルを見つめる
「貴方は確か、現勇者ヨシヒトの息子ではないですか?」
「は?初耳なんだが!シエル!」
「はい、そうですが…父の知り合い…
いや魔族…カタキですか…?」
「いえ…そうでは無いのです、
後この国では魔族と人間族のイザコザは
関係無いので、例えカタキでも問題は出しませんよ」
魔族の少女が微笑む
「遅れました、私はアリシア・バイアス…こちらが…」
「アルバート・ルシウスです!よろしく!」
続けて、カインとモナカも挨拶する
「アリシアさんとアルバートはどこのクラス?やっぱり魔族だからエリートクラスか?」
カインが聞くと
「はい、私たちはエリートクラスの者ですが…」
「すげー!優秀だろうなと思いました!」
カインがアリシアの手を掴み握手する
アリシアは男の耐性が無いのか頬を赤らめる
ーーー
「ねぇ!ずっと気になってるんだけど、アルバートさんから魔獣のニオイがするにゃどうしてにゃ?」
「あぁこの子かな」
アルバートは指輪を見せる
「今は指輪で寝ているんだけど、
この中にケルベロスがいるんだ!まだ子供だけど…」
ゴーン、ゴーン、ゴーン
夕方の鐘が鳴り始める
「やばいにゃ!お家に帰らなきゃ!
アルバートさん!アリシアさん!
シエル!カイン!またね!」
モナカは手を振り家路につく
「では私たちもこれで、」
アルバート達は学校の真ん中にある城へ向かう
シエルとカインは寮に向かう