実戦訓練授業
昼食を食べ終わり
午後の授業へ向かう
午後の授業の為
学校内の施設で闘技場がある場所へ
シエルとカインとモナカで向かう
ギフテッドクラスの前に
2人の先生らしき人が立っていた
1人は青い髪の若い男の魔法使い
角が生えている魔族であろう
その手に身の丈ほどの杖
杖先には拳ほどの魔石が光を放つ
もう1人は
猫科の獣人族の女性で
体は鍛えぬかれており
腕を組んで立っていた
獣人の先生が声をあげる
「午後の授業は実戦訓練だ!!」
クラスは怒号に縮こまる
「私は近接戦闘を得意とし、
魔法を使う近接戦闘を教える、
カレット・オンスだ!!そして隣が…」
「遠距離戦闘を担当している
オリエン・ナールだ…」
「では!まず各々の戦闘スタイル確認の為
私と戦ってもらう!準備はいいな!!」
カレット先生は楽しそうに笑う
ギフテッドクラスの
準備の出来た者から
カレット先生に挑む
カインは1番に先生に挑む…
カインを見送ると
後ろのモナカが怖そう震えている
「どうしたのモナカ?」
「カレット先生は獣人族の生きる伝説ニャ…
その先生に挑むなんて…」
その瞬間後ろで大きな音がした
カインは壁に吹き飛ばされて
白目を剥いて気絶する
「あれ死んだだろ!」
クラスが騒ぎ始める
「大丈夫だ」
オリエン先生が気だるそうに答える
カインの後ろから水の塊が出てくる
アレがクッションになっていたのだろう
「さぁー次!」
シエルの番になり
カレット先生と対峙する
「お前は全属性の使える奴だったな!
さぁー!楽しませてくれ!」
カインは杖を握り魔法を唱える
「ファイアボール!」
火の玉をカレット先生に打ち込むが
先生の回し蹴りに蹴散らされる
「その程度か!つまらん!つまらん!」
カレット先生が間合いを詰め
蹴りがシエルを襲う
カレット先生の蹴りをかわし
間合いを取り魔法を放つが
爪でかき消される…圧倒的強者
「私の蹴りをかわしたか…
お前、その身のこなし…戦闘経験…
しかも近距離戦闘経験があるな!!
なぜ実力を隠す!魔法を使わないでいい!
私とヤろうか!」
カレット先生は笑みを浮かべる
「わかりました…」
シエルは杖を刀に変える
「ほー刀か…珍しい…」
カレット先生は腰のサーベルに手をかける
「殺すなよ!!」
さっきまで気だるそうにしていた
オリエン先生が声をあげる
「わかっている…」
刃と刃がぶつかり合う
幼い頃から鍛錬を詰んでいた
シエルの剣術に余裕を見せる
「楽しいなぁ!もう一段階上げるぞ!
クイックテンポ!」
魔法によりカレット先生の剣術が早くなり
シエルの頬や腕に切傷ができていく
「相当鍛錬を積んでいるな!」
先生はしゃがみ込み足でシエルを空中に吹き飛ばす
「トップアクセル」
先生の太ももは太くたくましくなった瞬間
素人目に見えない速さで飛び上がる
「カレット!やりすぎだ!」
「仕上げだ!ストライ…」
「エアサポ!」
シエルは空中でピタッと止まり
体をひねり体勢を整え
カレット先生の剣技を止める為
力いっぱい刀を振り下ろす
刃と刃が高い金属音を鳴らし
カレット先生は地面に勢いよく落ち
シエルも天井に飛ばされるが
オリエン先生の水魔法にキャッチされる
先生は地面に叩き落とされ
砂煙が舞うが
そこにはケロッとしたカレットが笑っていた
「今回の新入生は楽しい奴ばかりだ!」
シエルが天井から地面に戻ると
カレット先生が近づき話しかける
「お前!シエルだったなぁ!どうだ?
身体強化魔法覚えて得意の剣術を伸ばさないか?」
「いえ、僕は攻撃魔法を伸ばしたいので…」
「そうか、残念だ!お前はオリエン先生に指導して貰え!だが私はお前を待っていてるぞ!!いつでも来い!」
笑顔でシエルの背中を叩く
ーーーー
皆、案の定カレット先生にぶっ飛ばされる
最後まで逃げていたモナカがとうとう
先生と対峙する
「よ、よろしくお願いします」
モナカ震えながら戦闘体勢を取る
その体勢は格闘家のようなファイテングポーズ
「ん~~!お前で最後か!名前は…」
体を伸ばし生徒の名前が
書かれているであろう名簿を見る
「モナカ・ニャストラル…ニャストラルだと?」
カレット先生の顔が引きつる
「お前、アンコ・ニャストラルの娘か?」
「え?はい!アンコはお母さんの名前です…」
それを聞いた苦い顔をする
「アンコ師匠の娘!手加減せぬぞ!クイックテンポ!」
カレット先生は手を地面に置き、
四足歩行の体勢を取る
「ヤバい、先生怒ってる」
クラスが騒ぎ始める…
「お母さんの知り合いですか?ごめんなさい!
道場の事は分からなくて……行きます!
クイックテンポ!ガッツスピリッツ!」
モナカも身体強化魔法を使う
先生は地面を蹴り上げ爪でモナカを襲う
モナカは攻撃を受け流し
手に着けているガントレットで先生の腹に一撃与える
「すげぇ一撃与えやがった!」
クラスの騒ぎが止まらない
「ガぁ!」
先生はすぐ体勢を整え
回し蹴りをモナカに与えるが
魔法の効果なのか吹き飛ばされずとどまる
2人の拳がぶつかる…いや当てている
どちらかが殴ろうと手を出すと
その手に対応するように相手がぶつかる
「ゴツ、ガッ、ゴツ、ギッ…」
骨と骨がぶつかる音が闘技場に響く
「聞いてるだけで痛てぇ!」
カインが耳を押さえる
モナカの攻撃が
先生のガードを吹き飛ばす
すかさず追撃を狙うが
先生は笑みを浮かべる…
「アッパーロック」
地面から四角い岩が飛び出し
モナカの腹に強烈な一撃を叩き込む
浮き上がった体を掴み
先生は背負投の要領でモナカを投げる
投げられては踏ん張ることもできず
オリエン先生にキャッチされる
「わざと、隙をつくったのか…」
シエルが小さい声でつぶやく
「スゲーなモナカー」「やるわねモナカさん」
クラスがモナカを称える
「いやいやいやいや…先生に一撃入れたけどよぉ…
カレット先生はモナカと戦う前に全員をぶっ飛ばしたんだぜ?規格外だろアノ先生…」
カインがシエルに小声で話す
「最初に受けた一撃も実力を測るためなんじゃ…」
シエルは冷や汗をかく
「モナカ!お前は私が指導しよう!」
カレット先生がモナカに手を差し伸べる
「よろしくお願いしますニャ…」
「コレで授業は終わりだ!皆はまだまだ伸びしろがある!きっと良い魔法使いになれるぞ!…あ!そうそう3ヶ月後!新入生戦闘魔法大会があるぞ!
この大会は成績に関係してくる!ので各々鍛錬積むように!以上!」
カレット先生が授業を締めくくる