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「アイドルってやっぱり大変なの?」と小さな赤いおもちゃみたいな車を運転しながらかれんは言った。

「大変だけど、とっても楽しいですよ」とあすみは言った。(それは嘘ではなくて本当の気持ちだった)

「そっか。よかった。あすみは自分の居場所をちゃんと見つけられたんだね」とかれんは言った。

「かれんさんがよく言ってくれましたよね。『あなたはちゃんと幸せになれるよ』って。あの言葉に私、ずっと、ずっと、助けられているんです。もちろん、今もですよ」とにっこりと笑ってあすみは言った。

「私が? あすみに? そんなこと言ってたっけ?」と驚いた顔でかれんは言う。

「はい。言いました。かれんさん。やっぱり覚えてなかったんですね」と笑顔のままであすみは言った。

「ごめん。私、結構いい加減だからね。でも、その言葉は嘘じゃないと思うよ。それははっきりとわかる。そのときの私は本当にそう思って、その言葉をあすみに言ったんだと思う」とかれんは言った。

「はい。そのことも、よくわかってます」とやっぱり笑顔であすみは言った。

「なんだか懐かしい。あのころのあすみはちっちゃくて可愛かったよね」とかれんは言う。

 かれんの言葉を聞いて、あすみは泣いてばかりいたころの、小さな、小さな女の子のことを久しぶりに思い出した。

 もしあのとき、かれんと出会っていなかったら、私は今、こんな風に笑っていられたのかな? とそんなことをかれんの隣で、あのころみたいに笑いながら、あすみは思った。

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