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紡錘車  作者: かいのすけ
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第一話

この前、自分が見た夢を創作にしてみました。

小説を書くのは全くの初心者なので、読むに堪えないものかもしれません。

ですが自分なりに頑張ったので読んでくださるとうれしいです。

前書きを読んでくださってありがとうございました。

 俺は目が覚めると、知らない天井が見えた。ここがどこなのか考えを巡らせているうちに、頭に激痛が走った。何も思い出せない。自分の名前も家族も学校も友達も。でも大切な、大切な弟がいることだけは思い出せた。思い出せたというよりずっと頭の中にあったという方が正しいかもしれない。だが名前は思い出せない。存在だけしていることだけわかる。頭痛がして記憶がなくなっていることに少し混乱したが、とりあえずは部屋の状況を把握しようと、俺は体を起こして部屋の中を見渡した。俺がいる部屋には壁掛けテレビが一台あり、ベッドに入った状態で視聴することができるようになっている。そしてベッドのそばには丸いテーブルとシングルソファーが二つ、テーブルをはさんで向かい合うように置かれていた。とても座り心地がよさそうだと俺は思った。壁掛けテーブルの隣の壁には本棚があり、無数の漫画や小説がおかれていた。本棚の隣には謎の扉があった。イスとテーブルの奥にはスライド式の扉がありその扉は外に出るためのものだと、構造的に分かった。ではこっちの扉はなんだ、と気になったので俺はベッドから降りてその扉を開けた。中は洗面台とまた奥に半透明な扉があった。俺は洗面台の前に立つと一人の人間が立っている。その人は中学生か高校生くらいの年代で病衣を着用しており、首からペンダントのようなものを下げていた。大きな目がこちらを見ている様子は俺のすべてを見透かされているようだった。一瞬誰が映っているのかわからなかったが、俺が首元を探る仕草をするとその人物も同じ動作をしたので、これは鏡に映っている俺だと分かった。自分の姿も忘れてしまうほど記憶障害は進んでしまっているのかと少しショックを受けた。半透明な扉の奥はシャワールームになっており、清潔面では心配はなさそうで安心した。洗面台には歯磨きも置いてある。

 俺は一通り部屋を見て満足したので早速部屋の外に出ようとした。その時だった。俺がドアノブに手をかけようとした瞬間、扉が開いた。扉の向こうには白衣を着た高身長で目の下のクマが濃い男が立っている。俺は驚いて呆然としていたが、男の鋭い目つきですぐに現実に引き戻された。男の隣には補佐のような、書類を挟んだバインダーを手に持っている女がいた。その女は俺と目が合うと会釈をした。すると男の薄紫色の唇が動いた。

「目が覚めたのか。では少し話したいことがあるからベッドに戻ってくれるか?」

俺は黙って頷いてその男の言うとおりにベッドに戻って腰掛けた。

男は壁にもたれかかっていたパイプ椅子を手に取り、ベッドのそばで広げてそこに座った。女は立ったままだった。

「ありがとう。では始めようか。ここはとある研究室で僕はここの所長をしている。火室という。氷じゃなくて、炎の方の火だ。こちらは僕の助手をしてくれている笹村君だ。これからよろしくね。」

「よろしくお願いします。」

俺は頭がまだぼうっとしていて対話をするのに必死だったため、同じ言葉を火室に返した。

「じゃあこれからいくつか君に質問をしたいことがある。答えてくれるかい?」

「わかりました」

「よし、じゃあ最初の質問。君の名前は?」

俺の名前は、と言いかけた時点で我に返った。先ほど激しい頭痛に見舞われたときに何も思い出せなかったことを思い出した。

「わからないです。」

「そうか、では急かもしれないが君のここでの名前はイトだ。ここではそうやって名乗るようにしてほしい。」

「は、はい。」

「では次、君の家族構成を教えてほしい。」

「よくわからないです。でも弟がいることだけはわかります。名前までは思い出せないけど。」

「ふむ、それはどうして?」

「どうしてって言われましても本能的にです。体がそう言っている、みたいな」

「そうか、ありがとう。」

そのようにして火室は俺の身の回りに関することを次々に質問していった。しかし俺は何もわからない状態だったため、ほとんどの質問に答えることはできず、わかりませんの一辺倒だった。火室や笹塚に迷惑をかけてしまっているかもしれないと思った。

「これで以上だ。ありがとう。今質問させてもらって分かったが、君は今記憶喪失の状態になっている。自覚してると思うがね。そこで、君にはここの研究室で記憶が元に戻るまで生活してくれ。三食、おやつと栄養もしっかり取れるし、娯楽施設も充実してるから飽きることはないと思うよ。あと、何か体調が悪くなったり、緊急で知りたいことがあったら、ここのナースコールのようなボタンを押してくれ。そしたら僕がここまで来るから。あ、そうそう、弟君もこの施設の別室で眠っているよ。無事だから安心して。さて、何か質問はあるかな?」

俺は自分のこれからについての情報を天気予報を伝えるかのようにさらさらといわれたので理解が追い付かなかった。しかし弟もこの施設にいることが分かって安心した。でもひとつ気になっていることがあったので俺は火室に質問した。

「弟とはいつ会えるんですか。」

「申し訳ないが会うのは弟君の目が覚めて、僕がさっき君にしたような質問が終わった後にしてほしい。もし弟君も記憶喪失になっていて君のことも忘れていた場合、自分と同じ顔が目の前にいると少し混乱してしまうだろう。すまないね。」

俺はこの火室の言葉で俺たちは一卵性双生児だということを知った。俺と同じ顔が二つある。不思議な感じがしたが何となく嫌な気はしなかった。きっと双子だからだろう。などと考えている間に火室は次の言葉を口にしていた。

「質問はもう大丈夫かな。じゃあ僕はこれで行くね。さっきも言ったけど何かあればこのボタンを押して僕を呼んでくれ。じゃあ改めてこれからよろしくね。ごはんは夕食の時間になったら持ってこさせるよ。」

といって火室は椅子をもとの場所に戻し、笹村とともに出ていった。

どうしてここで目が覚めたのか、どうして記憶を失ってしまったのか、そして俺は一体だれなのか、などいくつかの疑問を抱いた。だが、いろいろな情報を聞いて疲れたのか、俺はベッドにもぐりこんだ瞬間、瞼が重くなった。壁の向こう側から何か音が聞こえる気がしたが、そう思ったころには俺はもう深い眠りについていた。


最後まで読んでくださってありがとうございます。

まだまだ未熟な投稿者ですが、限りある知恵を絞って書かせていただきました。

もしよロしければ改善点などをコメントに書いていただけると嬉しく思います。

次の話は投稿者のプライベートの時間が取れ次第、書いていくつもりです。

その時はまた読んでくださるとうれしいです。

改めまして、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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