アルテーヒ大迷宮
この都市アルテーヒの冒険者区画と呼ばれる場所にアルテーヒ大迷宮はある。
この街が都市と呼ばれるまでになったのは間違いなくこの迷宮のお陰であろう。
そんなアルテーヒ大迷宮の特色は、迷宮内で死亡しても生き返ると言う点だ。余談だが、この迷宮の他にも確認されてるだけで8つ死亡しても生き返る迷宮がある。
「やはり迫力あるな、この迷宮」
縦、横共に20mほどの幅のある洞窟の様になった入り口を見て呟く。
「確か死んだらこの広場で生き返るんだよね」
「あぁ。多分今回は初めての死を体験する事になるだろうから覚悟しておくように」
「うん。じゃあ行こうか」
***
洞窟に入って入り組んだ道を少し歩いたら早速ゴブリンに遭遇した。
「早速スキル使うの?」
「無論だ。喰らうが良い!ランダムマジック!!」
・・・
「あれ?何も起こらなかった?」
と、若干恥ずかしくなって呟く。
「いや...ゴブリンの動きが止まってる」
...動きが止まってる?能力低下系の魔法か?
止まったゴブリンに近づいてみるが、目の前のゴブリンは俺を認識するしていないようで、ぴくりとも動かない。そう、まるで|時が止まったかのように《・・・・・・・・・・・》。
「...うん。恐らくこれは対象の時を止める魔法」
「それってまさかあの?」
「あのってどのだよ...」
「いや、子供の頃聞かなかったか?数多の敵の動きを止めた勇者がいた的な御伽噺」
「...あぁ、確かに聞いたね。ということはその勇者は実在したのかな?」
「かもしれないな。ところで敵の動きを止めて倒すなんて勇者にあるまじき行為だと思わないか?勇者たる者もっと正々堂々と戦うべきだと思うんだが」
「どうでも良いから早くそのゴブリンにとどめを刺して先に行こうよ...」
***
このゴブリン...時が止まってるからダメージ入らねぇ。
「もう1回ランダムマジックを使ったら解除されるとかないのかな?」
「多分無理だな。だが試してみるか!ランダムマジック!!」
突如、辺りに暴風が吹く。
「風魔法か。一旦この場を離れた方が良さそうだな。逃げるぞ!!」
...もう既に逃げてるじゃねーかあいつ。




