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吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第八章 ユーリル、国王になる
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第一話

 「ユーリルよ、おまえをユーリル港湾都市の国王に任命する」


 国王が書状を読み上げる。


 「そなたの名前が入った都市にして国名だ。いっその事居住困難区域を含めて国にすることにした。わが国との関係は対等だ。属国でも植民地でもない。安心しろ」


 サーミラ四天王が冷徹に言った。


 (俺が……国王。しかもこの吸血鬼族を族滅させようとした俺が)


 「王、私は貴方にも手をかけようとしました。そのような資格はございませぬ」


 「ユーリルよ、おまえの働きぶりはもう吸血族だけのものじゃない」


 「ただし!」


 四天王シドンが念を押した。


 「ユーリルよ、妖魔族討伐しながらの話だ」


 「主上、仰せのままに」


 ユーリルはうやうやしく手を差しだし、ゼーマ国王からの書状を受け取った。


 「それでよい。海魔族は領地を放棄することになった。と言っても冒険しながらでは大変だろう。そこでサラ」


 なんとサラが先に来ていたのだ。扉を開けてサラも謁見室でひざまずく。


 「お主が副官になるのだ」


 「拝命承ります」


 サラも書状を受け取った。


 アーク四天王が鉾を打ちながら言った。


 「人間界の故郷にお前の墓標が建ってるそうだな。国王になればお前が生きてることが証明されようぞ」


 (……!)


 「クリルタイを開くつもりでいる」


 ゼーマ王は大魔王を称号を正式に放棄することを宣言したことを意味する。


 「ただし従来のクリルタイじゃないぞ。国際種族会議だ。そこで人間族の国王と対等に渡り合うのだ」


 「はっ!」


 「これらからは『主上』とか申すのではない。『ユーリル国王』と呼ぶぞ。次回から貴賓室に行ってくれ。それからひざまずくのも止めてくれ。国王なんだからな、おまえは」


 二人は謁見室を去った。


 「よいのですか! 彼が言うように元々は吸血鬼を族滅しようとした元人間族の勇者! それを領土の譲渡とは」


 シドンが詰め寄った。


 「よい」


 シドンをなだめた。


 「あやつは十分世界を作った。褒美を出さねばもう一回刃はこちらに向かってくるだろう」


 「はっ!」


 「それとカラを呼べ」


 「はっ!」


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