第十一話
「来いや!」
三人は塔の外に出た。
なんとバラキエルは軽装ではないか。まるで古代人のフーガのような服装だ。しかし身に纏う魔力が桁違いだ!!
しかし、今回は三人とも反魔素鎧を身に着けている。そして魔法もブロック出来る。魔壁呪のおかげだ。
そう、この二つでまったく様相が変わった。
攻撃魔法を跳ね返し剣で攻撃をするユーリル。
なんと短刀を抜き次々相手に傷を負わす。
「こしゃくなあ!」
怒気だけで回りを爆発させる!!
「なんて魔力なんだ! サラ、大丈夫か!」
サラは防戦一方だ。
「大丈夫!」
でもサラの魔壁呪によって出来たバリアが壊れそうだ!
しかも俺たちは魔壁呪のせいで回復魔法が唱えられない。跳ね返ってしまう! 自分で魔力以外で回復せねばならないのだ!
「ちゃんと血を飲め!」
ユーリルの指示に従いサラはボトルから血を飲む。
サラのバリアが復活する。
「だけどさ……俺たちはもうお前らには負けないんだよな!」
クレーターを作るほどの魔力にもかかわらず三人は跳ね除けた。
そして返す剣で心臓を突き刺す。
後ろからカラも心臓を突き刺す。
声なき声が木霊する――!
バラキエルが崩れ落ちるようにして落下する。そして大地にズンという音を立ててそのまま動かぬものとなった。
「やった」
ユーリルは肩で息していた。
「やったわ!」
カラは崩れるようにして座った。
「やったのね!」
サラも憔悴していた。
「俺たちは妖魔族に勝てる!!」
「ちょっと待って!」
「サラ、何だ?」
「こいつの血を採取して分析しましょう! 出来れば肉も。もちろん反魔素容器の箱に入れて」
そうだ。そうだった。分析すれば何かが分かる。それに俺たちもボロボロだ。
「見て、私の鎧が……」
なんとサラの鎧も一部が割れている。
「いけない」
そう言って割れている部分をユーリルは手で覆った。
「お前を魔素中毒にはさせない」
「勇者様……」
「帰ろう。クローフィー城に」
「最終決戦はその後だ」
<第七章 終>




