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吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第七章 クレシェンテ大陸
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第十一話

 「来いや!」


 三人は塔の外に出た。


 なんとバラキエルは軽装ではないか。まるで古代人のフーガのような服装だ。しかし身に纏う魔力が桁違いだ!!


 しかし、今回は三人とも反魔素鎧を身に着けている。そして魔法もブロック出来る。魔壁呪のおかげだ。


 そう、この二つでまったく様相が変わった。


 攻撃魔法を跳ね返し剣で攻撃をするユーリル。


 なんと短刀を抜き次々相手に傷を負わす。


 「こしゃくなあ!」


 怒気だけで回りを爆発させる!!


 「なんて魔力なんだ! サラ、大丈夫か!」


 サラは防戦一方だ。


 「大丈夫!」


 でもサラの魔壁呪によって出来たバリアが壊れそうだ!


 しかも俺たちは魔壁呪のせいで回復魔法が唱えられない。跳ね返ってしまう! 自分で魔力以外で回復せねばならないのだ!


 「ちゃんと血を飲め!」


 ユーリルの指示に従いサラはボトルから血を飲む。


 サラのバリアが復活する。


 「だけどさ……俺たちはもうお前らには負けないんだよな!」


 クレーターを作るほどの魔力にもかかわらず三人は跳ね除けた。


 そして返す剣で心臓を突き刺す。


 後ろからカラも心臓を突き刺す。


 声なき声が木霊する――!


 バラキエルが崩れ落ちるようにして落下する。そして大地にズンという音を立ててそのまま動かぬものとなった。


 「やった」


 ユーリルは肩で息していた。


 「やったわ!」


 カラは崩れるようにして座った。


 「やったのね!」


 サラも憔悴していた。


 「俺たちは妖魔族に勝てる!!」


 「ちょっと待って!」


 「サラ、何だ?」


 「こいつの血を採取して分析しましょう! 出来れば肉も。もちろん反魔素容器の箱に入れて」


そうだ。そうだった。分析すれば何かが分かる。それに俺たちもボロボロだ。


「見て、私の鎧が……」


 なんとサラの鎧も一部が割れている。


「いけない」


そう言って割れている部分をユーリルは手で覆った。


「お前を魔素中毒にはさせない」


「勇者様……」


「帰ろう。クローフィー城に」


「最終決戦はその後だ」


<第七章 終>

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