表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第一章 吸血の勇者ユーリル
9/112

第八話

 とうとう人間界の村サンターにまでやってきた。ここが事実上の吸血族との国境となる村である。


 警戒されぬよう、ここからは穴の開いた衣服や鎧は厳禁である。ただし、どうしてもという時だけ一着のみ持ち込む。


 「こんなの着てたら『私は吸血鬼です』って言ってるようなもんだし」


 (そうだけどさぁ、カラ)


 「せっかくもらった鎧が……」


 「さ、さっそくアジトへ」


 そこは『サングイス製薬株式会社サンター営業所』とある。


 「いらっしゃいませ」


 「御一行様ですね。鎧を預かります。地下の預り所でよろしいですね」


 二名の人間……おっと吸血鬼が居た。


 「いつもすまないね」


 「いいえ、営業がんばってください」


 「いい? ここからはいざ吸血鬼の姿になったら衣服台無しだからね。そういう意味でも本性を現すときは慎重にね。それとこれを」


 カラから渡されたのは錠剤シートだった。


 「これは?」


 「睡眠薬よ。錠剤を押せば錠剤が出て来る。眠らせて血を頂くの……注射針でね。もっとも睡眠魔法をかけてさらに念のためにね。使用済み注射針はこの箱に入れて捨てリサイクルよ。でも完全にリサイクルなんて出来ない。ゆえに吸血族にとって鉱山は貴重なのよ。注射針がないということはそれすなわち吸血族にとって人間の血の供給が止まるって意味なの。針の使い回しは感染症が蔓延するから厳禁よ。人間を滅ぼしかねない」


 (そっか。貴重な金属を使ってるのは鎧だけじゃないのか)


 カラの顔つきは獲物を狙うそれだ。


 「今日はこの村の宿屋に泊って」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ