第五話
敵の姿を確認すると自分と同じ鎧を着ている。色が違うだけだ。
「お前がユーリルか?」
「お前はだれだ!」
「俺? そうねえ? 半吸血鬼とでも言っておこうか。お前がうろちょろすると邪魔なんだよね」
言うや否や広域光爆呪を唱えた!
光線のビームのような呪文だ。
「ぐはっ!」
ユーリルは直撃を免れたが熱の影響が大きい。
「がはっ!」
まずい、サラの鎧にひびが入る。このままでは汚染されて自分の命が危ない。
「逃げるぞー」
サラを繋いで逃げる。
そんな時。
「全く、結局私が居ないと駄目なのね」
(その声は!!)
「手を繋いで! サラもよ! 転移魔法唱えるわ」
「されるか!」
今度は直線型の光線魔法を唱えて来た。
間一髪で転移できた。
◆◆◆◆
転移先はクレシェンテの中継地点だった。
「またカラに助けられたね」
「ユーリル。私が居なかったらこれで二度も死んでるわよ」
「貴方がサラね。はじめまして」
そういって面頬を取る。
「私がカラよ」
それを見たサラも面頬を取ってカラに挨拶した。
「はじめまして」
「それとユーリル。このままでは本当に死ぬわ。でも秘策があるの。私が習得した『魔壁呪』を覚えてみたい?」
「魔壁呪!?」
驚きの声を出してユーリルも面頬を取った。
「でもその前に休息を取ってからね。宿代はタダだから安心して。みんなユーリルには感謝してる。それと気軽にお茶会でもしながら習得しましょうか」