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~序~
全員暗黒の空間に……宙に浮いている。
「魔法陣は整備してるのだろうな?」
玉座に座ったものが言う。玉座の色も闇色だ。
「ぬかりなく。サマエル様」
「マザーランドの不毛の地はすべて我々の領土」
「ここから一気に進撃するのだ」
「たった六人しか居なくとも星ごと領土を取ればそれは国家には違いあるまい」
「トゥーラよ」
「はい、サマエル様」
「半吸血族をマザーランドでも繁栄させる時が来た。人間牧場を作るのだ」
それを聴くとあまりの嬉しさにトゥーラは忍び笑いをした。
「御意」
「半吸血族を増やせば妖魔族も増える事であろう。これからは我らは闇に蠢くのではない。表に出るのだ」
「「御意」」
サマエルがふっと消える。
闇に残された者はふっと浮き、徐々に高みを目指して行った。