表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第六章 闇に蠢く者
77/112

第九話

 「おい、本当にここ歩いて大丈夫なんだろうな!」


 「分からない!!」


 二人とも魔素を防御する鎧に身を固めてる。フルアーマーだ。面頬めんぽうも特殊な素材で作られた面頬だ。もちろん己の声も変わる。翼を出すことが許されない。翼を通じて汚染されるからだ。このため移動力は極端に落ちた。


 魔素計はがりがり音が鳴っていた。


 (それにしてもどうしてここは砂漠なんだ? 家らしき建物も多いが……)


 「ユーリル、あれ見て!!」


 「これは」


 それは街であった。間違いない。町だ。それどころか水道もある。それどころか王城も周りは畑の跡もあるではないか!水車もあった。


 魔族も人間も生きることが許されない土地。しかしここには紛れもなくかつて人が住んでいたのだ。


 「間違いない!! ここに人がいた!!」


 「とりあえず地下を探そう。地下なら魔素の影響は少ない」


 地下を見つけた。店の倉庫とおぼしきとこだ。しかしそれでも魔素計はがりがり音が鳴っていた。


 「見ろ、水が……」


 水が流れいく場所に向かって魔素計を向けると魔素計はがりがり音が鳴る。


 「仕方がない」


 そういってユーリルは袋の中にあるテントを張ることにした。


 なんとテントにも魔素を跳ね返す素材が中に組み込まれている。


 テントの中は魔素計は反応しなかった。


 「ここで鎧と面頬を脱ぐぞ」


 二人はため息をつきながら鎧と面頬を脱ぎ普段着に戻った。


 調理は簡単なレトルトパックである。吸血族が発明した輸血パックはこんなところにも応用できるのだ。


 火を消すと二人は再び闇に蠢く者となった。


 「万が一ここに魔獣が居たら困るからな。後は妖魔族もだ」


 「分かってる」


 「明日、図書館を調べてみるか」


 「うん」


 なぜ彼女がここに派遣されたのかが分かる。ここなら戦う必要がないからなのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ