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吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第六章 闇に蠢く者
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第八話

<その頃、クローフィ城では……>


 「カラ、聞いたわ。勇者の監視役から外れたって?」


 歌姫のミラだった。


 「それでいいの?」


 「ええ」


  ――敵だもん


 「だって、私の……敵だもん」


 拳を握り締める。


 「すべてが終わったら敵討ちをしてよいと」


 「本当にそれが、本意?」


 「そうよ……」


 「じゃあ、なんで教会に着て毎日祈りを捧げてるの?」


 「それは……」


 「共に冒険していくうちに恋が芽生えた、なんて事は無いよね?」


 「違います!」

 

 「……いいわ」


 「ともに祈りましょう。ともに歌いましょう。そして貴方との鍛錬付き合ってあげる」


 「ありがとう……」


 二人は聖歌を捧げた。


 「魔族との戦いが終わったら平和になる。その時勇者はお払い箱よ。いいや、吸血族にとっても新たな脅威よ。その脅威を、倒す」


 カラの顔つきは悲壮感が満載だった。


 「本当にその道でいいのね、カラちゃん」


 「分からないわ!!」


 泣いていた。


 「自分の親を殺した救国の英雄なんてどうしたらいいか、私わからないわ! ユーリルが寝てる時、どれだけ首を絞めて殺そうかと思ったか。でも彼が吸血族の英雄なのよ」


 「じゃあ心の鍛錬も含めて修行しなきゃね。聖歌だけじゃなくて宗教も覚えて来ましょう。神父様にちゃんと教えてもらいましょう。それでも決意が変わらないというのであれば、私、協力するわ」


――勇者を……殺すわ。貴方のために


 小声で言った。


 「ありがとう」

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