第三話
「おお、地獄が出たか!」
ここは炎魔族の領土フレイム国である。地獄とは熱水の温泉の事である。。国の周辺は雪が積雪してるのにここだけ雪が溶けている。
「ここにブレードを設置しました」
係員が指差呼称する。
「スイッチ、オン!!」
すると水蒸気とともにブレードが回っていき発電していく。
「やったぞ~!」
歓声が湧きかえる。
「これで電気を売り込めますよ。我が国はもう貧困国から脱出できます! 竜族や吸血族に、電気売り込めます!! 勿論快適な生活が出来ます」
そう、今まで極貧生活に近かった。それまで売れる物はせいぜい鉱山からでた希少な石ぐらいである。それも遥か遠くの国のはずの人間に襲われた苦い経験まである。
「ゴレ国王様」
ゴレ国王はゴーレムの姿そのものであった。
「で、銅は確保してるのか」
「はい」
「ゴムは?」
「それが……南洋の方まで取りにいかなければしかし我が国は海魔族とは我が国はほとんど国交がございませぬ。獣人族とも国交はございません」
「むう」
「国使を出すしかない。我々はもう対立を望まないと」
「王、小耳にはさんだのですが竜族は吸血族に敗れて以来、逆に吸血族の文明を取り入れて発展してる模様です」
さすが技術者。情報は早い。
「ふむ。ということは?」
「竜族や獣人族とも仲良くなれば電気を売るチャンスですよ。そうすれば隣の氷魔族とも戦えます」
火山から一歩出ると、そこは広大な雪景色。つまりここは冬になると氷魔族のやりたい放題なのだ。
周りには氷魔族と炎魔族との戦いの跡があちこちに残っていた。
※ここで言う「地獄」とは熱水のことです。




