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第七話
<一方その頃……>
「王、新しい肉が届いております」
従者が伝える。
「それはいい。隣の部屋で肉を纏うか」
ゾマは謁見室の隣の部屋に行き座った。従者が用意された魔族の肉をまるで塗るかのようになぞっていく。すると筋のようなものが生じ骨に吸い付いていくではないか!!
腐肉がぶつかる音が部屋に木霊する。
「だいぶ失われた部位を回復したな」
「ええ。ご立派なお姿です」
「半死霊族を増やすのだ。この機会、逃す出ないぞ」
「はっ!」
(我はこの死霊の鎧を着て打って出る)
(我らを冥界から呼び戻した妖魔族に恩を返さねば)
「東の御方への献上分を忘れてないだろうな」
「ぬかりありません」
「忘れたら我が部族ごと消滅させられる。絶対に忘れるなよ」




