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吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第三章 獣人族との戦い
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第七話

 獣人族の従者が謁見室に駆け込む。


 「ご報告いたします。たいへんです、ドラグリア軍・ブルート連合軍に負けました」


 「へえ、本性現すとはこのことね」


 玉座に座り団扇で仰ぎながらサニアは動じない。質素な服だが王の威厳をどこか感じさせる。


 「吸血族はかつての敵国竜族のドラグリアに打ち勝った国です。我が国に勝ち目はないです」


 犬族の副官が警告する。


 「抵当も取れないですよ。貸し付けが焦げ付きます」


 「ふっふっふっ。では、次の手を発動させるわ」


 「いったい、何を……」


 「経済テロよ。では副官に命ずる。先物取引で穀物を買い占めろ」


 団扇で仰ぎながらサニアが言う。余裕の表情だ。


 「……」


  横に居た副官は震えていた。


 「餓死させてやる」


 「りょ……了解しました」


 「うふふ、これで債権回収分はばっちりね。ところで海上火災保険の収益はどうかしら?」


 「抜群です。海魔族の船の積み荷等、保険料利益でカバーしています。逆ザヤも起きてません」


 「そう……。じゃあ次は命にも保険を掛けようかしら」


 「女王様?」


 副官は一瞬女王の言っている意味が分からなかった。


 「命を金に換えるのよ。ばくちを遊び感覚でやってたかいがあったわ。戦死率や障害率が計算で来たんですもの」


 副官の震えが大きくなった。


 「副官! 今度は生命保険会社を作れって言ってるのよ」


 「りょ……了解しました!!」

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