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吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第三章 獣人族との戦い
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第六話

<少し時間はさかのぼる>


 ――本当にいいのですね


 ――かまわん


 ――貴国の漢方薬原料だけでない。植物性プラスチックの原料が無くなったら輸血バッグやシリンジも作れなくなるからな。それに竜の血も……


 ――ここに秘密同盟のサインを。


 (……)


 ――万が一獣人族が攻めて来たらあなたの国を守りましょう


 ――信じられませぬ。本当に…我が国は敗戦国なのに……


 ――ではこの国書をゼーマ王に届けさせます


 ――言ったでしょう? 我々は隷属を求めるものでも占領を求めるものでもないと。求めるものは平和と友好なのだと


◆◆◆◆


 獣人族との戦いに吸血族がやってきた!! 秘密同盟の力を見せる時が来た!


 次々魔法を唱え炸裂させていく。獣人族の魔力は弱くまるで相手にならなかった。


 竜の業火もあって獣人族はなすすべもなく敗退した。雨季であっても業火の前には無意味である。それどころか雷撃魔法で殲滅することに成功した。


 吸血族は勝鬨かちどきをあげる。竜たちは咆哮を上げた。


 少し前まで死闘を繰り広げていた二種族は今や同盟国となっていた。

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