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吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第三章 獣人族との戦い
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第二話

 ゼーマが若き竜を謁見室で見つめていた。


 「ドラグニアが破産寸前とな」


 「はい」


 「で、自分で買った武器を海魔族に売ると」


 「はい」


 「ちょうどよい。リーよ、勇者ユーリルとカラと一緒に海魔族の首都サルジニアまで行くがよい」


「ははっ」


「改めてよろしく」


 ユーリルが改めてあいさつする。


「私からもよろしく」


 カラも挨拶する。


「国書は持って来た」


 ゼーマにうやうやしく渡すリー。


 「万が一戦争になったら……」


 「案ずるなリーよ、ちゃんと策は打ってある」


 「かしこまりました」


 国書を再び受け取るリー。


 「では行こうか」


 リーはかつての敵であるユーリルとの旅が始まった。


◆◆◆◆


 道中……やっぱりユーリルは言わねばならないことがあった。


 「リー、君が漢方薬ビジネスを考えたんだね」


 「そのアイデア、すごいわ」


 カラも感心する。ただただ感心せざるを得ない。


 「でも失敗しただろ、勇者」


 「でも、そのアイデアで農民は豊かになったんだ。凄いよ」


 「今や破産寸前だけどな」


 「……」


 「ところで勇者、おれに稽古つけてくれ」


 「いいのか俺で」


 「ああ。勝者から学ぶものは大きいと思う」


 「そっか。俺でいいのなら」


 「ありがとう」


 「それと俺が本性現すときは分かってると思うけど強い光を出す。別に衣服が破れたりしないから元に戻っても大丈夫だぞ」


 「OK!」


 「いざというときはとことん本性現すから」


 「頼もしいぜ!」


 そう、ユーリルにとって竜族という戦力は頼もしかった。

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