表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第三章 獣人族との戦い
34/112

~序~

 海魔族の街ザギン。海魔族は海の上に家を建てる海上の民。陸上に住む獣人族とは親戚のため仲がいい。雨季は海魔族にとて最も活躍できる季節だ。場合によっては地上戦になっても不利にならない。


 ドラグニアの西方にある港町。


 この街にリー・ファンは居た。


 冒険者ギルドに登録し、いざとなったら本性を現し時には人間と対峙したり、時には本性を現しロープで船をひっぱったりしていた。要は雑務だ。


 そんな中いつもの居酒屋で声を掛けられた。海魔族でサハギンのコリンだ。


 「おまえ、お触れが出てるぞ……」


 コリンは尋ね人の紙を持っていた。似顔絵が、そっくりだった。


 「コー・ファンとか偽名だよな? お前…ドラグニアの王子だったのか……」


 リーは酒を飲み干しコップをどんとテーブルに叩く


 「だから、なんだ!?」


 「お前、身分も騙したな……。というかお前を捉えればこの国は人質を得られるというわけだ。金になるな?」


 「「だれかこいつを捕まえろ」」


 居酒屋の客が一斉に立ち上がる。


 しかしリーは本性を現した。


 居酒屋は滅茶苦茶になりさらに業火を浴びせる。


 海魔族にとって火は弱点。次々竜が放つ業火によってリーは海魔族を葬むる


 「こいつを半殺しにしろ」


 「衛兵」


 次々強い敵が集まってくる!! 衛兵も集まって来る! 獣人族も応戦に来る!!


 氷の刃がリー・ファンに突き刺さる。悲鳴を上げながらリー・ファンは夜空を舞い、去って行く……。


(くそっ!母国が!!)


 王子は涙を流した。雨で涙がかき消される。翼が重い。それは本当に雨だけのせいなのか……。


 王子は高度を上げた。すると雨雲を突き抜ける。そこには青空が広がっていた。だが王子の涙は止まらない。王子はたまらず咆哮を上げ母国ドラグニアへと急降下した。


 ドラグニアは雨が打ち付けるような雨だった。国民は敗北に……そしてこれから来る衝撃に恐怖していた。


 (しょうがねえな)


 泣いてる場合ではなかった。竜の姿を解いて王城に向かった。従者は王子が来たぞーと喚く。取り押さえられるのかと思ったがよくぞ御無事でという声ばかりだ。吸血族の四天王とともに国を再建してるという。向かわなければ。


 リー・ファンは執務室へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ