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吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第二章 竜族との戦い
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第九話

 獣人族とは……。


 竜族や人間族と比べて素朴な一面もあるが怪力も持ち侮れない。そして魔族の中では一番人口も多い。繁殖力があるのだ。獣人族は獣の俊足さも兼ね備えている。獣人族の中には人間に化ける種族もいるから要注意だ。


 竜族のような圧倒的強さはないが、ゲリラ戦も行える。


 サラチア山脈を越える。本当に吸血族になってから格段に移動距離が増した。


 獣族の王城ナハルニヤが見えてきた。


 門番に国書の件を伝える。


 すると謁見の間に通された。


 「お前が元人間の勇者ユーリルか」


 「はい」


 「我は狐人のサニア」


 (女王だ)


 「何か重要な事情かな? 吸血国の財政は?」


 「はっ。天候不順で穀物価格が増大しており……」


 「ふっ、竜族も同じ事言っておったわ」


 (竜族が来ていた!! しかも同じ理由で……しかも同じ嘘……)


 「では賃借対照表も要求する」


 (国の財務が丸裸になる!)


 「返せない場合、そなたの国土の一部を担保に取る」


 「えっ?」


 「当然じゃろう?担保も無しに莫大な資金を貸すバカがどこにおる?」


 「……」


 「年利は二.八パーセントじゃ」


 (くっ……ギリギリか……)


 「分かりました。それでお願いします」


 屈辱的な内容であった。


 「早期返済は可能ですよね」


 「もちろんじゃ」


 (敵に頭を下げるとはこういうことなのか……)


 「ではこちらの紙にサインを……」


 「返済方法は空輸でいいんだな」


 「その通り」


 にや~と笑う女王がいた。


◆◆◆◆


 「これで二国にファイナンス出来ましたな」


 「うふふ、何も技術が無い、売り物が無いと嘆いていたが売る物はあったぞ。金そのものじゃ。世界を制する者は軍事力でも技術力でもない。金なのよ」


 「おもしろいことになって来ましたな」


 重鎮は敵国の中身がタダで見れることにうきうきの状態だ。


 「敵国の財務を知れば弱点も見つかると言うもの」

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