表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第一章 吸血の勇者ユーリル
2/112

第一話

勇者は目覚めた。


 どっかのベッドの上だ……。


 「お目覚めになりました? ユーリル様」


 「ここは……」


 「ここは吸血族の城クローフィ城です」


 「俺は死んだはずでは……」


 「実は吸血族の牙には毒と同調する成分が含まれています。五分の一の確率で人間を吸血鬼にすることが出来ます」


 「ということは、俺は……」


 「そうです。もう人間じゃありません……」


 「うっ」


 「まだだめです。じっとしていてください」


 腕には針が刺さっている。袋から何やら液体が体に流れているようだ。


 「これは?」


 「お薬よ。もう三日三晩眠ってたからやっぱだめかと思ったんです」


 「君は一体……」


 「私は看護師のカラ。よろしくお願いします」


 「これから服薬治療もしていきます。主治医の指示は守ってくださいね」


 どっからどうみても人間だ。


 「君も吸血族?」


 「ええ。そうよ。でも吸血族って普段は人間と同じ姿になるわ」


 そういえば。吸血鬼に見えない。


 「ユーリル。きみはもう吸血族なの。変な気を起こさないでまずは治療に専念してね」


 そっと鏡を見せてもらうと二本の牙が……伸びていない。普段の自分の姿だ。実感がわかない。


 「食べるときは私がスプーンであなたの口に入れますから」


 「ありがとう……」


 思い出した。大切な存在を。


 「戦友は?」


 「丁寧に葬られたわ。ただ人間の血液は貴重なの。血液だけは抜かせてもらったわ」


 なにげに恐ろしい言葉が飛び出す。そしてあの出来事はやっぱり夢じゃないと。


 「吸血族の墓の横で眠ってるから後で墓参りしましょうね」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ