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吸血の勇者ユーリル  作者: らんた
第九章 最後の戦い
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第五話

<その頃……カラは……>


 魔法陣が起動するとサーミラ四天王が無事転移した。 


 「サーミラ四天王!」


 「いい知らせがある。マザーランドに妖魔が攻めて来たのだが魔族連合軍打ち破った!多勢に無勢だ。五百人も居ればさすがに勝てた」


 「ええ!?」


 (すごい……)


 「人間牧場に人間が捕らわれてるんです。二十人居ます! でもここに連れて来ることが出来ないんです! 魔素中毒になるから」


 「むう、何てこと。カラ……分かった。手伝う」


 「ありがとうございます!」


 こうして二一個分の反魔素物質で出来た鎧に面頬を転送した。


 そして急いで離宮こと人間牧場に戻る。何度も往復するのだ。


 「二一個目だ。これは万が一予備で使え」


 「みんな鎧はちゃんと着けたか!」


 中にはサイズが合わず苦労した者も居た。


 「一旦吸血族預かりとなる。大丈夫だ。貴殿らを吸血鬼にするつもりは毛頭ない」


 「予備は持っていけ! ユーリルの事だ。同じ過ちをするかもしれぬ」


 (同じ過ち……)


◆◆◆◆


 「無い、無い、無い!!」


 ユーリルは王城を探し回っていた。武器庫にまともなものは無かった。


 (そういえば彼らは軽装じゃないか!)


 食堂もがらんどうで食料もそんなにない。いや、今は食料よりも大事なものを探しているのだった。居室も衣服ぐらいしかない。勇者などというものではない。もはやユーリルはただの盗賊である。


 (負けてしまう!!)


 このままでは同じ過ちの繰り返しだ。マクドネル、ガレス、モルドレッドがクローフィー城で死体となって転がった様が蘇る。


 (カラは戻っているのか!)


 ユーリルは知らせのために入り口に戻り一発だけ雷呪を空に放った。


 空を見て気が付いた。


 (日が暮れる!!)


 当たり前だがマーズランドだって日没があるのだ。


◆◆◆◆


 「いる!」


 魔法石が反応した。光が方角を示す。


 カラが見たものは砂漠や廃墟なった光景から一気に緑豊かな光景になった事だ。そして王城も見つけた。


 (いた!)


 ユーリルだった。鎧がヒビだらけ、穴もあった。


 「ユーリル!」

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