表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【漫才】右子(みぎこ)

作者: マーナリ

ツッコミ → ツ


ボケ → ボ


合コンから数日後の男たち

ボケ 俺ってさ、「私、潔癖症なの!」って言いながら、爪が長い女が嫌いじゃん?


ツッコミ 知らねーな! 初耳だよ! でもそれって、この前の吉田も一緒に行った3対3の合コンで右側に座っていた女の子の事だろ?


ボ よくわかったな。


ツ あの子、感じ悪かったから覚えているんだよ。ずっと、変な目で睨んできてたし。


ボ でさ。お前もこんな人嫌いだなぁとか、今すぐに……したい人っている?


ツ 最後のは何だよ!? 嫌いな奴か……俺は嘘をつく人と隠し事をする人が嫌いだな。人としてどうかと思う。


ボ すみませんでした!


ツ なんだよ急に! もしかして、俺に嘘ついたり隠し事したりしているのか?


ボ はい。嘘をついてしまいました。


ツ まじかー。ちょっと怖いけど、聞かせてもらってもいいか?


ボ じゃあさ、怒らないって約束して。


ツ 大丈夫だって。俺は寛大だから、ちょっとやそっとでは怒らないよ。


ボ じゃあ言うね。あの合コンの後、「今回はお互いに収穫無しだなー」って言ってたけど、俺は左のユイちゃん、吉田は真ん中のミサキちゃんと付き合うことになりました。


ツ ハァ!? ふざけんなよ!お前ら2人でコソコソときたねーぞ!


ボ 約束、約束!


ツ い、今のは怒ってないし。ダチどうしのノリみたいなもんだろ。それにしても、いつの間に仲良くなっていたんだよ?


ボ お前、会社から電話がかかってきて10分くらい席外したじゃん。あの時に盛り上がっていたんだよ。


ツ くっそー! 電話がなかったら俺にチャンスがあったってことか。部長恨むわー。


ボ 嘘をついたらいけないから正直に言うけど、それはないと思うよ。


ツ 何でそんなことが言えるんだよ?


ボ ユイちゃんとミサキちゃんはお前の事が嫌いだったみたいだから。


ツ 何でそんなことわかるんだよ!?


ボ だって、お前がいない間、お前の悪口で盛り上がってたからな。ユイちゃんとミサキちゃん、すごく楽しそうだったんだ。


ツ なんだよそれ!? ふざけんなよ!


ボ 嘘ついていないから怒らないでよ。


ツ 嘘に怒っているんじゃねー、悪口の方だ!


ボ でも、さっき寛大って言っていたよね? あれって嘘なの?


ツ う、嘘じゃない。つい興奮してしまって。くっそー。人の悪口で盛り上がる女たちの合コンに、お金を払ったのは悔しいな。


ボ でも、右子だけはお前の事ずっとかばっていたな。ノリが悪くてホント最悪な女だったよ。


ツ 右子って、1人だけ名前覚えてないのかよ。っていうか俺もだけどさ。


ボ 右子はホント最悪で、「人の悪口はダメ」とか「うるさくしたらお店に迷惑がかかるから静かに」とか言って、一番お前がうるせーよって感じだったな。


ツ 最悪なのはお前たちだ。ここまで腐っているとは思わなかったよ。それにしても、右子はとてもいい子だったんだな。お前らに、右子の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわ!


ボ 爪長い人の爪垢はちょっと……


ツ うるせー! 右子は潔癖症だからきれいなんじゃい! 寛大な俺でももう限界だ。お前とは絶交させてもらう。


ボ じゃあ、俺が両手の人差し指の先同士をくっつけるから、お前は切ってな。


ツ 小学生か! バカはどうでもいいとして、無性に右子に会いたくなったじゃねーかよ。


ボ 良いことを教えてあげる。右子が感じ悪く見えたのは、コンタクトを落としてしまって見えにくかったからみたいだよ。


ツ クソッ! 右子、悪いとこ視力だけじゃねーか! 今になってかわいかったんじゃねーかと思い始めてきたぞ。


ボ そういえば、この先のコンビニでバイトしているって言っていたな。


ツ ナイス情報だ親友! こうしちゃいられない。今から会いに行くぞ。

  待っていろ、右子ーーーーー!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ