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おまけスキルはマスタースキルによって使い勝手が良くなりました  作者: すみ 小桜


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第41話 変身

 森の中へ降りたエストキラは、困り果てていた。ずっと自分自身の肩を抱きリナが泣いているからだ。


 ”なんと言って声を掛けていいのか……”


 『たぶん胸を触られたのだろう』

 「え……」


 ”それが狙いか! って、わかったところで掛ける言葉が見つからないよ”


 『ふう。仕方がない』


 そうアルが言ったと思うと、大きな姿になった。


 『リナ、泣くな。私は君に笑顔で歌ってほしい。次は、絶対に守るから』

 「………」


 顔を上げたリナが、アルを見て固まる。


 『私が、怖いか?』


 リナは、ぶんぶんと頭を振った。


 『これが本来の私の姿だ』

 「え……では、本当に神獣なの? うん? なぜ今まで私に聞こえなかったの?」

 『小型化すると、能力が制限されるのだ。声も波長が合う者にしか聞こえなくなる』

 「そうなんだ。ありがとうアル。落ち着いたわ」

 「あ、僕も一緒に守るからね!」

 『そうか。元気になったか。では君の歌が聴きたい』

 「歌?」


 リナは、首を傾げる。


 『そうだ。私は、リナの歌声に惹かれて君の元へ来た』

 「え!? キラじゃなくて?」


 アルは、こくんと頷く。


 「てっきりキラにしか聞こえないからキラと仲良くしたいのかと思っていたわ」

 『残念ながら波長はキラとしか合わなかったようだ』


 ”残念ってなんだよ”


 「ほら言った通り、話せただろう」

 「そうね。疑ってごめんね」


 キラは、うんうんと頷いた。


 「そういえば、さっきあの男が言っていたこと覚えてる?」

 「え? あ、覚えてない……」

 『相手が冒険者なら罰せられないというやつか』


 そうだとエストキラは頷く。


 「え? 冒険者同士の争いは大丈夫なの?」

 「そうみたい。見てみて」


 〇神官、貴族、一般人からモノやお金を奪ってはいけない。また嘘をついたり傷つけてもいけない。罰金または死罪になります。


 冒険者の文字は含まれていない。


 「どうやら街の中で問題を起こせないから襲って来るのは街の外だけど、女性ってだけで危険だよね。魔道具であるこのボードも奪われる可能性がある」

 『ふむ。では髪を切るのはどうだ? キラより背があるのだから短い髪だったら女性だとわかりづらいだろう』

 「なるほど」

 「………」


 リナは名案だと、手を叩く。


 『もし可能なら私が斬って(・・・)やろう』

 「え? 本当」

 『キラに手伝ってもらえば可能だ』

 「わかった。どうすればいい?」


 アルの提案はいいが、切る恰好が恥ずかしかった。いや、特段変なポーズをさせられたわけではない。キラの膝の上に背中を乗せる体制だ。いわゆる膝枕の体制から、頭を突き出した状態。頭から長く垂れ下がった髪をアルが斬るという事だった。


 『動くなよ』

 「はい」


 二人で顔を赤くして、スタンバイ。

 見た目、リナの頭でボール遊びでもしているように、アルの両手は交互に髪をすく。そのたびに髪がひらりひらりと舞い散る。

 リナはぎゅっと目を瞑っていたが、キラはそれは凝視していた。

 見事に切り刻まれたリナの髪は、ボーイッシュだ。エストキラより短く、後ろから見れば女性だとは思われないだろう。しかも髪の色が抜け、白っぽくなっていた。


 「凄い……」

 「え? もしかしてかなり短くなった?」


 自分の姿が見えないリナは、手で髪を触り聞いた。


 「うん。僕よりずっと短い。それに白っぽい色になった」

 「え? アルが触れてないのに?」

 『魔力を吹き込んで斬ったので、また伸びてきたら斬ってやろう』

 「ありがとう。アル」


 リナは、ぎゅっとアルの首に抱き着く。


 ”リナの件は、これで一応解決かな。後は、フライボードだ。何かいい方法はないだろうか”


 エストキラは、魔法陣のあれこれを出して読み始める。


 「え? なんでそんなの持っているのよ」

 「あ、これ。ガントさんに貰ったんだよ」

 「やっぱり!」


 リナは、考えが当たっていたと頷いた。


 「うーん。やっぱり魔法陣だけじゃ、ボードを小さくしたり戻りたりするのは無理かぁ」


 ずっと小さくするのはあるのだ。かばんの様に中に入れればずっと(・・・)小さいままだとか。だがそれ自体を使いたい時、大きくしたり小さくしたりするのは、魔法陣だけではできないようだった。


 「無理かぁ。でも目立つんだよね」

 「そのボード? そうよね。魔道具だもんね。見える様に持っていたら盗まれる可能性大ね」

 『透明にするのはどうだ?』

 「それも考えたんだけど、僕が見えてもリナに見えなくなっちゃうから」

 『そうか』


 そうなると、リナと一緒に乗れなくなってしまう。


 『では、いったん休憩にしてリナの歌でも聴こうではないか』

 「え……」

 「喜んで」


 クスっとリナは笑って、祈り歌い始める。


 ”もう。まあリナが元気になったからいいか”


 エストキラもリナの歌声に耳を傾けるのだった。

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