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おまけスキルはマスタースキルによって使い勝手が良くなりました  作者: すみ 小桜


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第37話 無事着いたものの――

 リナがアルを抱き、そのリナの横をボードを持ってエストキラが歩く。その足取りは重い。はっきり言おう。疲れてヘロヘロなのだ。

 朝方、誰にも見つからずに道に入り、そこから2時間ひたすら歩いて来た。ほとんど寝ずに飛び、眠いし足と腰は痛いしお腹は空いたし。


 ”ごはん食べればよかった”


 「ついたけど、門番が立ってるわ」

 「うん。リリド街にもいたよ」

 「そうじゃなくて、検問してない?」

 「え……」


 まさかこんな遠い街で検問をするなんて思っていなかった二人は焦る。この距離で引き返すのはかえって目立つだろう。


 「どうしよう」

 『少しの間なら、髪色を変える事が出来るが、するか?』

 「え? 本当?」

 「何よ、いきなり」

 「お願いしていい?」

 『では肩に担ぐように言ってくれ』

 「肩に? わかった」


 また話しているみたいだと、リナはジト目でエストキラを見た。


 「アルが髪色を変えてくれるって。だから肩に担いでほしいらしんだけど」

 「え? そんな事ができるの?」

 「たぶん……」


 二人とも半信半疑だが、それしか方法がない。

 リナは、アルの前足が肩に乗るように抱き上げる。


 「ちょっと待て。二人ともフードをとれ」


 リナは、ギュッと目をつぶりフードをとった。風でなびく彼女の髪は、アルの毛色と同じ真っ白の髪になっている。


 ”凄い”


 「あの、僕達、冒険者になりにきたんです。えっと、何かあったんですか?」

 「あぁ、冒険者にか……村人が逃げたらしい。通っていいぞ」


 二人は、ペコっとして街の中へと入った。ふうっと二人揃って大きなため息が漏れる。


 「ここで検問をしてるなんてね。しかも村人として……」


 複雑そうな顔つきでリナがいう。

 確かに村人だが、神殿に入ったのに村人扱いだったからだ。


 「ところで、冒険者に本当になるの?」

 「もしかしたら休憩区でも検問しているかも。だったらもうここでいいんじゃない?」

 「そうだけど……大丈夫かしら」


 リナは不安だった。どう言いくるめられているかわからないからだ。


 「でもその前にごはん食べない」

 「そうね。少し座りたいわ」


 二人は、適当な食堂に入った。

 ビーントヌ街は、リリド街より大きな街で、朝早いのに人でいっぱいだ。

 二人は、手頃の料理を頼み食べた。


 「聞いたか、二日前に村人が逃げ出したらしい」

 「聞いた。聞いた。でもあれだろう、リリド街よりもっと遠いとこだっていうじゃないか」

 「今頃、モンスターに食われてるって」

 「まあ、決まり事とは言え、一週間はこれだろう? いちいち面倒くさいなぁ」


 二人は、酒を飲みかわす客の話を聞いていた。


 ”一週間で解除されるのか。まあ一週間して見つからなければ、生きているとは考えづらいもんね”


 「ねえ、冒険者になるの?」


 食堂からでたリナが、またボソッと聞く。


 「嫌なの?」

 「できればなりたくない」

 「じゃ、一般人のふりして仕事探す? MPどれくらい?」

 「え? そんな事できるの?」

 「わからないけど。僕はそうしていたから」

 「……2000弱」


 ”2000ないの? でも1000あれば仕事できたよね? あ、でも本当の名前が登録したら表示されるんだよね。登録しなければいいかな?”


 「無理?」

 「あ、いや。登録すると本当の名前が水晶にでちゃうからさ」

 「え!」


 サーっとリナの顔が青ざめる。


 「でも、登録しない事もできるみたいだから。ギルド紹介所行ってみる?」


 リナは、ぶんぶんと顔を横に振った。


 ”怖がらせてしまった。そんなつもりで言ったんじゃないんだけどな”


 「冒険者で頑張ってみる。薬草摘みとかもあるんだよね? 私、神殿で薬草の勉強もちょっとしたから……」

 「うん。わかった。そうしよう。あ、そうだ。僕達、姉弟って事になるからね」


 わかったと、リナは頷く。

 二人は、冒険者協会を探すと、門のすぐ近くにあった。

 この街は、神殿、貴族、一般人、冒険者という並びになっていて、門のすぐ内側に冒険者達の宿屋やお店が並んでいる。

 冒険者協会に入れば、そこも人でいっぱいだ。


 「あの……冒険者になりたいんですけど」

 「身元を証明するものは?」


 受付の男性の言葉にリナはビクッとするも、エストキラはかばんから用紙を取り出し渡す。

 リナは、その時にチラッと見えた字に目を丸くする。それには、『督促状』と書かれていたのだ。


 「キ、キラ。あれ、どういう意味かわかってるの!?」


 慌ててぼそっと耳打ちする。


 「え? いや。これを見せればいいって言われて……」


 怖い顔をしているリナを見てエストキラは、何かまずいものだったのかと慌てるも遅い。


 「金貨200枚ですか。いいでしょう。新人さんです。宜しく」


 受付の男性は、奥に声を掛けた。


 「金貨200枚って嘘でしょう……」


 リナが、ボソッと呟く。

 濡れ衣ではなく、肩代わりさせられたと青ざめるリナだった。

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