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異世剣聖  作者: 鷹武手譲介
第二部 戦場への回帰
33/113

柳礫の空

 森の近くの空き地で、二人の武人が棒を手に、対峙している。


 暑さの中で玉汗を滴らせているが、両者、微動だにしない。


 風が吹き、森の木々がざわめきをあげた。


 季節を少し外した鳥のさえずりが止まる。


 次の瞬間。向かい合った二人が全くの同時に地を蹴り、互いに距離を詰め合った。


 ()せ違う。位置が入れ替わる。


 そこからさらに二度、三度と打ち合い始めた。


 拮抗した戦況は、徐々に片方に傾いて行く。


 そして、二十を超えたか、といったところで、片側の棒が弾き飛ばされた。


 それに終わらず、首筋を目掛け一直線に斬り上げ――


「大将、また負けですかー? もうこれで、通算二十戦二十敗ですよ?」


 近くの石垣に腰掛けた、まだ少女とも取れる年齢の女性――晴銀歌(せいぎんか)が、軽快な口調で声を上げた。

 それに合わさり、緊迫した空気が薄れていく。


「いやお前、その言い方はあまりにも失礼だろ。この人、仮にも柳礫の太守であられるんだぞ」

瑚笠(こりゅう)、それも相当に慇懃無礼だからな」


 突きつけた調練用の棒を下げてから、瑚笠は晴銀歌を(とが)めたが、さらなる上官の禅項(ぜんこう)に注意を被せられてしまった。なんともしまらない光景だ。


 軍に入ってこの方、ずっと世話になっている人物には、瑚笠も逆らわずに口をつぐむ。


「まあまあ気にするな。大体事実だしな。けど俺は別に仮じゃなく、真にも実にも太守だぞ。一応言っとくが」


 棒を弾き飛ばされた張本人であり、柳礫の太守、つまりは最高司令官でもある林天詞(りんてんし)が、笑いながら皆をたしなめた。


 まあ自分も、この人相手だからこんなことを言えていると自覚はしている。普通なら、自分も晴銀歌も首と胴が離れているだろう。


 林天詞は棒を拾い、衣服の砂を軽くはたいて落とした。


「さて、戻ろうか。立て続けで面倒だけど、対鷺作戦の会議と行こう」


 敗北の気配を微塵も見せず、林天詞は翻って歩き出した。瑚笠も棒を持ったままその後ろに続く。


 棒の片付けくらい、下っ端の自分たちでいくらでもやるというのに、林天詞は絶対に譲らない。基本的に、自分のことは自分でやる、という性分なのだ。


 妙なところで頑ななのに、なぜあんな柔軟な戦が出来るのだろう、と瑚笠は時々思う。彼の用兵はまるで水のようで、斬っても突いても崩せる気がしないのだ。


 総勢は万を超えた軍同士のぶつかり合いから、一ヶ月が過ぎていた。正直、鷺軍の報復は、予想よりずっと早い。季節は依然として夏だ。秋の気配はまだ漂ってこないが、日の長さは短くなりつつあった。


 天守閣の中の一室を会議場としているため、瑚笠たちもそこに向かう。部屋に入ると、すでに柳礫を治める主だった者たちが集まっていた。


「まず、皆も知っていると思うが、三日前に鷺軍が出立した。おそらく、あと五日ほどでハクロに着くだろう」


 地図を広げた机の上に、林天詞が手を置いた。

 ハクロは柳礫からもっとも近い、鷺の街だ。柳礫を攻めるなら、まずここを拠点にすると見て間違いない。


「五日、ですか? 行軍なら、フェロンからハクロまで、七日かからないと思うのですが」

「どうも進軍が遅いらしい。これでも、早く見積もっているくらいだ」


 報復の決定は迅速だったが、軍の行動は遅いようだ。どこかちぐはぐな印象を、瑚笠は受けた。


「兵力は一万三千。ただし単一の軍ではなく、元帥及び三人の将軍の指揮下から、数千ずつ兵を出し合って構成されている。総指揮の名は、士会」

「神の使者を自称している輩ですね」


 この街に配されている兵数は五千だ。城攻めには城内の三倍の兵力を要すると言うが、それを加味しても柳礫が落とされかねない数である。


 敵の出師(すいし)は迅速に決定されており、出撃も比較的早かった。そのため、こちらの中央から援軍が配備されたとしても、緒戦には間に合いそうにない。


「士会とやらの力量は謎だ。いきなり湧いて出たように現れたから、一切の情報がない。何にせよ、中核はウィングローの軍で、ウィングローに次ぐ指揮官のロードライトが従軍している。油断はできん」

「援兵は?」

「既に周囲の街に使者は飛ばしている。まだ返答は来ていないが、ある程度の援兵は望めるだろう」


 その対策として、近くにあるいくつかの街に、林天詞は援軍の要請を出していたらしい。さすがにここらの判断は早い。


「問題は迎え撃つかひたすら立てこもって耐えるかだが――正直、この時期に後者はやりたくない。そうだよな」


 林天詞が近くに立っていた一人に話を振った。柳礫の民政担当、穆涼(ぼくりょう)は、うなずいて答える。柳礫では、林天詞に続くお偉方だ。


「ええ。もうじき稲の収穫の時期が来ます。このまま籠城すれば、近隣の田畑は踏み荒らされますし、実った稲を軍に刈り取られる可能性もあります。今年の収入がなくなり、民としても我々としても痛手でしょう。流通も滞りますし、最悪餓死する者が出ます。一応、一年分の食糧はあるので、籠城も可能ではありますが」

「その……そうなると、基本は野戦で叩き、追い返す方針になるのでしょうか?」


 士の一人が少し不安げに発言すると、林天詞はすぐに首肯した。


「ああ。援軍が来てもこちらの兵力が一万を超えることはないだろう。明らかに少ない兵力で野戦に出るのは危険――そう言いたいのか?」

「ええ、まあ――はい、その通りです。それに、軍の指揮を行うのは、崑霊郷からの使者という話ではないですか。神の使者相手に戦って、果たして勝てる見込みなどあるのでしょうか……」


 暗い顔をしているのは、何も林天詞と話している士だけではない。この場に集まった多くの者が、浮かない表情で林天詞を見ていた。


「そうだな……まずその使者云々は、まだ真偽が定かではないからな。今は置いておいた方がいい。それにたとえ真実だったとして――それでどうする? 抵抗もせず大人しく街を開け渡すのか? 俺達はここの守将であり守兵だ。この街を守るのが俺達の役目だ。結局のところ、抗戦は避けられんよ」


 林天詞の整然とした物言いに、一同は黙る。もし本当に神々の世界の住人が相手なら、それに抗するのは神の意志に楯突くようなものだ。瑚笠自身、できればそんなことはしたくない。


 もっとも、林天詞の言うとおり、崑霊郷からの使者とやらは今のところ眉唾物だ。いちいち信じ込んで無血開城を繰り返していたら、すぐに国も滅びてしまう。


「とはいえ、これを民にまで浸透させるのは厳しい。そういう意味でも、籠城は難しいな」


 籠城戦で一番気をつけなければならないのは、内通者に城門を開けられてしまうことだ。どんなに堅固な城であっても、これをやられると容易く陥ちる。神の使者という肩書きに当てられて、鷺の側に走る者が出るというのは、ありそうな話だった。


「それと、そもそもの兵力差の話だが――あちらさんの軍、混成軍だというのはさっき言ったよな? そしてその親玉たちは不仲だ。それだけでもう、統率の取りようがないだろう。そもそも、誰か一人の軍を使うんじゃなく、混成軍にせざるを得なかったこと自体、互いに功を立てさせたくない、つまり足を引っ張り合ってる証拠だ。兵力で負けていようとも、相手が軍として機能していないなら話は別だよ」


 机に腰掛けた林天詞が、ぐるりと部下たちを見回した。


「つまり、野戦でも十分勝算はあると」

「ああ。もちろんだ」


 力強く頷く林天詞に、居並ぶ者たちも顔に明るさを取り戻した。


 とはいえ、これはある程度希望的な観測だ。その使者とやらの実力は未知数であり、敵の自滅ばかり頼みにするのはかなり危うい。


 もっとも、そのくらい林天詞は当然わかっているだろう。今は暗い雰囲気を払拭するのが先決、という配慮か。


「あとは、どこでぶつかるかだな。出来る限り農地のあるところは避けたい。それは向こうも同じ考えだろうから、大体絞られてくる」


 そう言って林天詞が指差したのは、前回の戦場にもなった、大きな平野だった。その名を暗江原(あんこうげん)という。


「ああ、いつものところですね」


 ちょうど、昔から国境線が行ったり来たりした場所であり、そのために戦が頻発していた。その結果、長らく民が住まうことなく、広大な荒地として放棄されている。野戦にはもってこいの場所だった。


「そう言うな、締まらないだろうが。あとは、向こうがこっちに攻め入って野戦になる可能性だが――まあ、大丈夫だろう。今言った弱点は、ウィングローの補佐官や、ハクロの変人将軍は良く理解しているだろうからな。退路が確保しづらい袖国内を選ぶことはないと見た。というわけで、まず確実に、ここが戦場と見て間違いない」


 林天詞はそう言いくくり、次いで物流の話を切り出した。需要があると見込まれる、穀物などを商人たちが運び込んでくるだろう。援軍の消費する食料や武器は柳礫持ちなので、値次第では買い上げておきたい。もっとも、こちらのことは瑚笠にはよくわからない。民政に強い穆涼や禅項が、主に議論の舵を取っていた。


 会議が終わって部屋を出ようとしたところで、林天詞に呼び止められた。


「おい、瑚笠。これから、軍営か?」

「ええ。調練を晴銀歌に任せてきているので」

「そうか。長駆だったな」

「はい」


 兵力と同じくらい戦を左右するのが、兵の質だ。それは、武術もそうだが、集団の動きができるかということや、何より体力の占める割合が大きい。


「後でお前に、いいものをやろう。調練が終わったら、軍営に来いよ」

「それはまあ、言われずとも行きますが。何か仕事ですか?」


 贈り物と言われても、瑚笠は素直に喜べなかった。以前同じ言い回しで、書類仕事を押し付けられたことがある。瑚笠は軍指揮でのし上がってきたが、位の上昇とともに役場での仕事もこなさなければならない。軍人気質な瑚笠にとって、非常に面倒なものだった。


「心配するな。もらって困るような物じゃない」


 行っていいぞ、と手を振られ、瑚笠は部屋を後にした。


 厩舎で自分の戦鴕に乗る。

 会議というのは、どうにも肩がこる。顔をしかめながら戦鴕を駆り、瑚笠は長駆している集団に追いついた。瑚笠の指揮下、五百の隊だ。


 近づくと、気づいた晴銀歌が走って寄ってきた。美しい栗色の髪が、光を反射しながら靡いている。


「隊長。どうでした? 会議」


 瑚笠は戦鴕から降り、自分も走りながら答えた。乗っていた戦鴕は、手綱を持って一緒に駆けさせている。


「相手は一万超えだ。大戦になるぜ」

「おおっ……! でっかい戦! わくわくしますねー!」

「ああ。と言っても、俺らはどう見積もっても一万いかないけどな」

「うーん、じゃあ兵数的には不利ですね。それでも打って出るんですか?」

「相手がまとまりなさそうだからな。俺らは援軍が混ざるとはいえ、近くの街の連中とは、たまに一緒に演習もしてる。不仲な敵よりは、ずっと連携が取れるはずだ」

「なるほど。それじゃ、近い将来、精一杯暴れられるんですね!」

「おうよ。今回は足を引っ張る面倒な味方もいない。思いっきりやってやろうぜ」


 前回のような枷もない、それでいて自分の力を最大限発揮できる上司に、部下がいる。

 最高の戦が近づきつつある。瑚笠も晴銀歌も、軍人としての心がうずくばかりだ。


 しばらく、隊の先頭で瑚笠は駆け続けた。足取りが重くなることはない。


 瑚笠は元々、兵役で軍に入った。実家は至って普通の農家で、家族の一人を兵として送り出さなければならなかったのだ。村をまとめる家など、ある程度裕福なところなら、金で代用出来るが、瑚笠の実家が取れる手ではなかった。


 三男だった瑚笠は、自分から軍に行くと言い出した。畑を耕して終える一生に、どこか鬱屈としたものを抱えていたのだ。だから、普段から一人で棒を振って体を鍛えたり、旅の武芸者に頼み込んで体の動かし方を見てもらったりしていた。


 出身の村が柳礫の管轄だったのは、幸運だったと思う。本来なら、ちょっと腕の立つ雑兵として、どこかの戦で死んでいただろう。


 柳礫の調練は厳しく、ついてこれるようになるまで時間がかかる兵も多い。瑚笠は脱落しかかった他の兵を励まし、煽り、時に叱咤し、他の新兵たちを支えた。みんなをまとめながら、しぶとく調練に耐えていった。


 林天詞に声を掛けられたのは、同じ長駆の調練だった。遅れかかった兵たちの肩を叩き、なんとか集団に追いついて終わった調練で、後ろから話しかけられたのだ。身なりもただの雑兵で、遠くからしかその姿を見たことがなかった瑚笠は、それが自分の属する軍の最高司令官だとは思いもしなかった。後で聞けば、今年の新兵は出来がいいと話題になり、林天詞本人自ら調練に潜り込んだのだそうだ。その時の新兵の担当は禅項で、相当やりづらい調練だったと、後にこぼしている。まあ、上司の尻を叩きながら、罵声を上げるような真似は自分もしたくない。


 そこで、なぜ他の兵を助けているのかと聞かれ、瑚笠は素直に答えた。


 まず言ったのが、調練についてくることができない兵は、真っ先に死ぬということだった。戦というのは集団で戦うもので、一人と一人が戦うものではない。全体の動きから外れると、たちまち死が近づいてくる。体力がない者は、ここぞという場面で必ず遅れる。そして、討たれる。


 そして、そういった兵が何人かいると、全体の動きが悪くなる。乱れがあれば、崩れるのも早い。そうなると、自分自身が死ぬ確率も増える。


 というわけで、結局自分を助けることになるのだ、と答えると、林天詞はほう、と笑っていた。軍の一番の基本だな。大切にしろよ、とも言われた。その日はそのまま去ってしまい、偉そうなやつだと思っただけで、瑚笠は特に気にも留めていなかった。


 しかし、翌日には十人をまとめさせられ、なぜか林天詞と向かい合っていた。同数の兵力で散々にやられたものの、その場で五十人をまとめる小隊長にされた。そして気づけば、五百を指揮している。


 確かに武術を学んだりしてはいたが、まさか本当に武で身を立てることになるとは思わなかった。


 そのまま四刻ほど駆けて、軍営に近づいたところで、瑚笠は異変に気がついた。

 軍営が静かすぎる。いつもなら、ここまで近づけば、声が聞こえてくるはずなのだ。今日は、いくつかの隊が軍営に入っているので、無人ということはありえない。


 瑚笠は駆け続けていた隊を止め、すぐ後ろにいた兵を何人か選び、声をかけた。


「先行して、様子を見てきてくれ」


 怪訝な顔をした兵たちだったが、気をつけろよ、と付け加えると、表情を改めた。すぐに駆けていく。


 しばらくして、斥候たちが駆け戻ってきた。


「問題ありません、隊長」


 妙なことに、兵たちの表情からは喜色が見て取れた。押し殺しているが、どうしてもにじみ出てしまっている。

 後ろに戻る途中で、報告をした兵の背中を、別の兵が叩いていた。


 少なくとも、斥候たちの様子に邪気はない。あったとしても、悪い異常ではないのだろう。


 それでも警戒を解かず、瑚笠は慎重さを保ちながら軍営に入った。


 そして、目を丸くした。


 結論から言えば、異常はあった。広場に、他の隊の兵が整列していたのだ。その中央には林天詞がいて、背後に「林」の旗が翻っている。


「林天詞殿、これは」

「ほら、約束の贈り物だ。受け取れ」


 兵が二人出てきた。二人で挟むように、大きく平たい木箱を持っている。


 これは、まさか。中身に思い当たった瞬間、瑚笠の心臓が別のもののように跳ねた。


 瑚笠の反応を見て、林天詞は満足気にうなずいている。


「開けてみろ」


 晴銀歌と趙葉が出てきて、箱を支えていてくれる。瑚笠は震える手で、しかししっかりと蓋を開けた。


 中から出てきたのは、一枚の大きな旗だった。赤い布地に、「瑚」の文字が大きく書かれている。

 瑚笠の、旗だった。


 隣にいる晴銀歌と趙葉が、歓声を上げていた。瑚笠は全身に震えが走っている。しかし、まだ実感が追いついていない。どこか別世界の出来事のように思われ、ただ呆然としていた。


「瑚笠」


 姓名を林天詞に呼ばれ、瑚笠は我に返った。


「袖皇家に代わり、柳礫太守、林天詞の名の下に、貴公を候に任ずる」

「謹んで、拝命致します」


 自分の声が上ずっていたが、瑚笠は気にもならなかった。


 臣下の位には、大きく分けて上位から順に卿、候、士がある。林天詞の位は卿だ。瑚笠は今まで士だった。こちらは、役所の中でも多少上に立てばすぐに就くことができる。


 しかし、候となると話は違う。候になるということは、国から正式に一家を立ててよい、と認可をもらったということになる。瑚笠自身も、少数だが家臣や下働きを雇うことができるのだ。一生士で終わる者も多い中、二十になって間もない自分に任せられるというのは、大変なことだった。


 そして何より、戦場で自分の旗を掲げることが、認められるようになる。だから、候や卿に上がる時は、見合った装飾の旗を授与されるのが、習わしだった。


 感激で、全身を熱いものが駆け巡っている。目をかけられているとは思っていた。しかし、ここまで大事に思われていたのか。


「今度来る新兵の大半は、お前の下に付ける。今の五百と合わせて千を率いてもらうことになる。まあ、今度の戦には間に合わないけどな」

「わかりました! 必ず、ご期待に添える働きをします」

「気負うな気負うな。肩の力を抜け。深呼吸、さんはい」


 にやっと笑う林天詞の前で、瑚笠は鼻から大きく息を吸い、次いで口から吐き出した。何か、自分の中に新しい別のものが入ってきたかのようだ。それは、悪い感覚ではない。


「それにしても、まさか斥候を送り込んでくるとはな。七人先行して、軍営の様子を探り出した時は、笑いが止まらなかったぞ」


 皮肉が飛んで来ても、今は全く気にならなかった。今、瑚笠は、かつてないほどに燃えている。次の戦では、林天詞の厚意に報いるよう、全力でもって暴れよう。ただ、そう思っていた。


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