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42話 到着

「埒が明かない…」

魔術師と思わしき男に対して、船員協力のもと、組織の情報を吐かせようとしているが、知らないの一点張りで、殴られすぎてこのままじゃ殺されてしまいそうだ。

「ああ?死にてぇのか!」

「だから言ってるだろ、何も知らないんだよ…」

また殴りつけられるが、ただ怯えるばかりだ。

「本当に何も知らされてなかった。あんたらの船にある宝物を奪え、そしたら金を払うって言われただけなんだよ!」

「それを信用するためにも自分の身元を開かせ」

「言える身分なんてない」

「じゃあどこで魔術を覚えた?」

「記憶にないんだよ…」

「テメェ、おちょくってんのか!」

水の入った桶に髪を掴まれて押し込まれている。

「死にたくないんだよな?早く言った方が身のためだ」

「はあ…はあ…、本当に覚えてないんだよ。信用できないかもしれないが、つい最近の記憶しかない。それに俺らは元奴隷のはずだ、魔術なんて上等なもん使えるはずもない。船の中で顔が見えない誰かに刻印を体に刻み込まれてから使えるようになった。それも三日前だ」

「それはもう聞いた。俺が聞きたいのはお前の名前と、どこから来たのか、それとお前を雇ったやつの事だ。それも分からないんじゃ人質としての価値もない」

「お縄にしてやろうと思ったがここで殺しておくか?ああ?」

ポールアックスを研ぐ男が立ち上がり、肩に刃を乗せ、のこを引くようにして髪を切る。

「ま、待ってくれ。戦いをやめさせたじゃないか」

「んなもんで許されるわけがねぇだろうが!!こっちは四人も殺されてんだぞ!」

「それは最低限の行動だ。お前がこれから先に生き続けるためにはまだ足りない」

「もう俺が差出せるものなんて何もない。頼む、見逃してくれ!」

「うちの船長はテメェを助ける義理なんてないと思うだろうがな」

「なあ、アルヴィの旦那。もういいだろ?こいつらを生かしておく意味なんかねぇよ」

「ああ…」

その後、船員達に引っ張られて行き、人質として連れられた全員が処刑されることが決まった。

結局名前も、どの国から来たのか、どういう集団なのかもわからないままだった。刻印についてはレームのような魔術について詳しい人物がいれば、状況がもっと進展したかもしれない。

これから先にもまたこの船が襲われることがあるかもしれない…そうならないことを願おう…


「この場での刑の執行は許されるのかボルド殿?」

「ええ、船上という逃げ場のない空間での強盗と殺人という卑劣極まりない行為ですから。それに私掠船という様子でもないようですし、私刑というのは問題はないでしょう」

「使い捨ての駒をこうして殺しても何も変わらないだろうがな」

「アルヴィ様はご不満がある御様子ですね。やはり根城を叩けなかったことが気がかりなのでしょうか?」

「また襲われるかもしれない、その時どうなるのかが気になってな」

「そうですね…襲われないことを祈りましょう」

「そうだな」

だが、この船に残ることはできない。今はやるべきことがある。それに彼らの強さはこの目で見た、簡単に負けるはずがないか。


襲撃から生還し、目的の港に到着して別れの時が来た。

「あんたら、色々と助かったぜ!気ぃ付けて旅を続けてくれよな!」

「ああ、そっちもな。ここまで乗せてくれて助かった。ありがとう」

「いいってことよ!それにあんたには貸しを作っちまったしな。な、アルヴィ!」

「そうか。なら次会った時に借りを返してもらおうかな」

「もちろんだ。任しときな!!」

どんと背中を押され、船から降りる。

「じゃあな!!」

「気をつけろよ!また会おう!」

集まった船員達が手を振ってくれた。それに応じて手を振り返して、港を離れる。


ここはあまり活気のある港ではないようだ。停泊している船の数も少なく、賑わっている場所も少なく、人もあまり出歩いていない。ただゼノーの方が賑わい過ぎなだけの気もするが。あそこは大陸の貿易拠点としてもかなり大きい場所だからな。日夜船が行き交うのもあってか、どんな時間でも多くの人を見ることができる。

「ここは襲われてないのか?」

「あの怪物さぞ強い恨みを持っているのか、執念深く同じ場所を襲撃しています。ですからここが襲われることはないでしょう」

「そうなのか。蝙蝠の時も似た感じだったな」

あの蝙蝠も誰もいない村を破壊して楽しんでるようだった。蜘蛛も雪山に潜んで近づいた生き物を片っ端から捕らえていたし。どうやら縄張り意識のようなものを持っているんだろうか。

「それで、距離はどのくらいあるんだ?」

「このルイタからはそれほど離れた場所ではありません。道に迷うことはないでしょう」

さて、色々とあったが目的地はすぐそこまで来ている。


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