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17話 吸血鬼

あれから何度も攻撃され、身体中に傷が入ってる。

全身力むたびに血が出てるのがわかる、応急用の薬で何とか持ちこたえてる。

状況を変えようと適当にショットガンを撃ち大きな音を立てる、すると驚いて離れて行くのがわかった。

その隙に、聖水を体に振りまいて寄せ付けないようにする。

コウモリが仲間を呼んでるのか鳴き声を発するが、それを発砲してかき消し、走って距離を離す。

「着いてきてるな?」

後ろにフラッシュバンを転がし、頭を押さえて、出来るだけ離れる。

炸裂音が聞こえ後ろを振り向くと、遊ぶようにノロノロ追い回してきたコウモリが地面に落ちて、もがいてるのが見える。

準備していたM870を向けて引き金を引く。

「効いてるな、そのまま寝ててくれ」

地面に落ちた吸血鬼に散弾を撃ち込む。

悲鳴をあげながら、もう一度飛ぼうとする奴の背中に撃ち、反撃させない。

「本当に危険から逃れれたな…」

渡された聖水に感謝しながら、死亡を確認しに近づく

「ギャアアア!!!!」

突然起き上がり、こちらに飛びかかろうとしてくる。

「生きてたか」

『軽戦士の回避』を使い距離をとって、リボルバーを抜いて頭に弾丸を撃つ。

苦悶の表情で苦しそうな声をあげながら、ジタバタともがいたあと動きを止める。


「腕が痛いな…」

死体を引きずって森を出る。悲鳴を聞いて他の仲間が来ると面倒だからな…


「おい、大丈夫か!」

「もう戻る」

「腕をやられたのか?よし、全速力で戻るからな」

「ああ…」


「あら、まあ!」

レイレイが走って寄って来る。

「ハハッ、油断してた」

「ほら、腕を見せなさいな」

腕を見せると、そこに緑色の液体をかけられる。

「ウグッ、痛い…」

「我慢なさい、病気になるかもしれないのよ!」

「さあ、そのマスクも外して!これを飲んで!」

「ああ、わかった」

「ほら、口を開けなさい」

苦い液体を飲まされる。

「にげぇ…」

「さあ、帰りましょ」


「ねえ、あの汚れた爪に切り裂かれたのに傷口が塞がり始めてるのはどうして?」

「応急薬を打ったからな、それとこの牙のおかげだ」

「ねえ、見せて?」

牙のお守りを手渡す

「注意して触れよ」

「これ凄いわね、そこらへんの抗毒のタリスマンよりも出来がいいわ」

「痺れないのか?」

「私は魔女よ?呪いは効かないわ」

「魔女ねぇ…」

「あら、信じてないの?」

「信じてる。でもあんたがどのくらい凄いのかが俺には分かってないんだ」

「ん、あんたじゃなくってレイって呼んでほしいわ?」

「分かった、レイ」

「フフフッ、何だか若い頃を思い出すわね」

「若い頃?」

「私はとても長生きなのよ」

「そうは見えないな。錬金術の力か?」

「フフッ、秘密よ」

「ちなみにどれくらい生きてるんだ?」

「ダメよ?女の子に年齢を聞いたら。まあ、あのレーム君よりも生きてるわ」

「そんなにか…」

「ねえ、あなたは?」

「俺は26だな。子供みたいなもんか?」

「そう、若いのね。でも腕が立つ見たいね、どうして?」

「子供の頃から狩猟をやってた、軍に入っても相手が変わっただけで同じだった。こっちに来ても何も変わらない」

「あらそう。何だか大人なのね、私のその頃なんてまだくだらない夢を見ていたわよ?」

「常に戦争してた時代に生まれたからな、夢を見るより生きる術を学ぶほうがよかったんだよ」

「フフフッ。それで、その腕の傷でも綺麗に吸血鬼を仕留められるのね?」

「あれで綺麗なら、普通はどんなもんなんだ?」

「剣士の子に頼むとボロボロにして来るし、弓使いの子は上手だったけど死んでしまったし」

「死んだ?」

「ええ、あなたが倒した蜘蛛にね」

「あのエルフのか…」

「まあ、気にしないの。あなたが仇を討ったのよ?ね、悪魔の使い君?」

「違うけどな…」


「ねえ、あなた。引っ越しの持ち物が少なすぎて、綺麗にしてあげようと思ったけどね?…」

「まあ、持ち物はクレートにしまってるから大丈夫だ」

こじんまりとした部屋に机とベット、タンスが置いてあるだけの部屋だ、まあこのくらいのほうが落ち着くよな…


「ねえ?もう寝ちゃうの?」

「もう疲れた」

「あらそう…お酒も準備したのに…」

「また日を改めてくれ。無事に帰ってきたときにな」

まあたしかに、こっちに来てから常に疲れてるな…


「なんだか、常に何かに追われてるみたいね?」

「何かしてないと落ち着かないんだよ」

「そう、でも今回は危なかったのよ?」

「ああ。あんた、いやレイに貰った聖水のおかげで命拾いした、ありがとう」

「ま、まあ、いいのよ。もう…何でそんなに正直なの…」

「今回は俺の腕の傷でちょうど釣り合いが取れただろ?」

「はあ…次は無傷で帰って来てね?お祝いもできないでしょ?」

「次はちゃんとする」

そうだな、次は油断せずにやろう… 


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