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1ヶ月間のPrincess  作者: SHINE
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ここはどこですか?〈5〉

すいません……。いつもより少し長いです。

「それじゃあ、まずは自己紹介から始めようかな。初めまして。僕の名前は、ルージュ=ラパン。この国に起こっている出来事を一つ一つ書き留めている……短く言えば、書記官として働いているよ。好きなものは、ニンジンと、可愛らしい女性とでもいっておこうかな。はい、今度は君の番だ。君の名前と好きなものを教えて?」

「はい。私の名前は、ソフィ=ブルーと言います。えっと……好きなもの……ですか。あ!お茶会と、甘いお菓子が好きです。」

「うんうん、とても可愛らしい自己紹介をありがとう。それじゃあ、この国について説明していくよ?準備はいいかな?」

「はい。もちろんです。」

「この国はルミエールというんだ。」

「ルミエール……フランス語で光……ですか?」

「ああ、説明を続けるよ。ここ、ルミエールは、2つの軍で成り立っている軍事国家なんだ。ここには、『紅き血統こそ、称えるものなり』を信条とする赤の軍と、『漆黒の翼こそ、自由の象徴なり』を信条とする黒の軍がある。」

「赤の軍と、黒の軍。具体的に違うところはありますか?」

「ああ、いろいろあるけど、1番違うのは、幹部の決め方かな。」

「幹部?」

「ああ、それぞれの軍には13人幹部がいるんだ。トランプになぞらえていて下から、エース、2,3,4,5,6,7,8,9,10、ジャック、クイーン、そして、キング。上の方が強いと言われているけれど、1番下のエースは、破格の扱いで、特攻隊長を表しているんだ。だが、今は両軍とも、幹部が13人揃っていないから怖がらなくてもいいよ。」

「なぜですか?」

「今が、幹部の交換時期だからだよ。1年に1回この春の間に、両軍の幹部が一斉に幹部の座を開ける。そして、ここからが、赤の軍と、黒の軍の最大の違いだ。赤の軍は、キングも、何もかも血筋で決まる。さすがに、血筋が確かなものでも、素質がなかったりしたら、外されるけどね。」

「そうなんですか……。黒の軍は?」

「黒の軍は、初めに黒の軍の兵や領地に住んでいる人たちによる一斉投票でキングが決まる。そっからは、キングの一存でクイーンが決まり、キングとクイーンでジャックを決め……という感じで、すべての幹部が決まっていく。でも、上から順番にやらなければいけないという事はないから、今回はエース、2、10、ジャック、クイーン、そして、キングが先に決まってもう登録を終えているんだ。」

「なるほど。両軍、とても個性的な軍の決め方をするんですね。」

「そうだよ。それじゃあ、今度はこの国の特徴を説明しようかな。この国では、一般的にも魔法が使われているんだ。」

「魔法って、童話とかで悪い人を倒すとか、そういうのですか?」

「うーん、そういう魔法もあるにはあるけれど、一般的なのは違うよ。大体は、光を生み出したり、火を生み出したり、水を生み出したり……。生活に使われているんだ。」

「な、なるほど……。」

「魔法を使うには、魔法の結晶がいる。ほら、あちらに深い森が見えるだろう?あそこには、魔法の結晶がとてもたくさんあるんだ。けれど、最近は、結晶の取りすぎで森にある結晶の数が少なくなっているんだ。だから今、人工的に結晶を作り出せないか……ほらあそこ、あの高い塔……魔法塔で研究が進んでいるんだ。でも、ごく稀に魔法の結晶に頼らなくても、自分の中にある魔力で、魔法を発動できる人がいるんだ。君が出会った人だと、シャインが当てはまるよ。まあ、彼女は普通には生まれない、特殊体だけど。他にも、赤のキングや森に住んでいるとされる、お尋ね者も魔力は持っていた筈だよ。」


そして、ルージュさんは、一息ついて、私に問いかけてきた。


「さて、とりあえずここまでしゃべらせてもらったけど、これは、ここの小学校で習う内容だよ。君はどこから来たんだい?ここは、子供への教育は怠っていない筈だからね。」

「あ、あの!私、ここの国の人ではないんです。BARっていうお酒を飲む場所でシンデレラっていうカクテルを飲んだら眠ってしまって、気がついたらここにいたんです。」

「なるほど……。それで合点がいった。じゃあ君は、【シンデレラ】なんだね?」

「【シンデレラ】?それなんですか?」

「【シンデレラ】……君のいた科学に国から訪れた人の事だよ。何か特別な能力を持っていると聞いているが、その能力について書かれた文献は、大昔に書かれていたため今様々な研究者たちが、こぞって解読に勤しんでいるんだ。」

「私に、何かしらの能力があると、そういうことですか?」

「ああ、そして1つ聞いておきたいことがあるんだ。」

「何ですか?」

「君は元の世界へ帰りたいかい?」

「もちろんです!今すぐ帰れるのなら、帰してください!」

「残念だが、今すぐは無理だ。もう、タイムオーバーになってしまっているからね。」

「タイムオーバー?」

「科学の国と、ルミエールをつなぐ扉は新月の日の21時~から24時の間にあの橋の上でシンデレラのカクテルを飲むしかないんだ。つまり、君は1か月間ここにいないといけないんだよ。」

「そ、そんな……。」

「さて、じゃあ次は……。」

『おい!ルージュ!緊急事態だぞ!』


緊急事態?!一体何があったの?!

読んで頂きありがとうございました!

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