ここはどこですか?〈4〉
はあっ、はあっ……。まだ会えないの?もう走り疲れたよ。
「ったく、女ってのは、そんなに体力がないのか?それとも、あいつらに痛めつけられたいとでも思っているのか?」
は?!そんなわけっ!?って、この人がかぶってるの、緑のシルクハット?!
じゃあ、シャインが私の保護をあ飲んだ相手って、この人?!いやいや、まさかね……。
「さっさと走れ、このど阿呆が。こっちはシャインに頼まれて、仕事を続けたいのに邪魔をされたんだ。余計な手間かけさせんな。さっさと走れ!」
うわっ!少し(かなり?)乱暴だけど、一応助けてくれるのかな……。
「これに乗れ!」
うわっ。ちょっ。いきなり押さないでよ!
ていうか、中に人がいるんですけど?!
マナーはないのかしら?!このシルクハットめ!
「うわっ。危ない!」
ドンッ。
痛たたたたた……。
「ぶつかってしまってごめんね。お嬢さん。ケガはないかい?」
「はい……。大丈夫ですけど、ぶつかってしまって、すいません。」
「いや、君のせいではないよ。大方、オルがいきなり押したんでしょう?はあ、オル?レディには優しくするようにと、常日頃から言っているじゃないか。なぜ彼女を押したりしたんだ?」
「仕方がないだろう。そいつがとろいのが悪い。だが、俺も聞きたいことがある。なぜ、俺たちは、礼を貰っているとはいえ、シャインにここまで協力しなければいけないんだ?」
「オル、その話は後にしよう。どうやら、お客様がお見えのようだからね。」
「……わかった。俺は前にいるからな。」
「ああ、安全運転で頼むよ。」
お客様って……?あ!庭で私に手枷をはめてきた人達と同じ軍服?!
という事は、あの人達は、手枷をはめてきた人達の仲間って事?
「あ、そうだ。こいつにここがどこなのか、教えておいてくれよ。お前、そういうのは得意だろ。くれぐれも、余計な事までは喋るなよ?」
「わかったよ。オル。確かに、ここから中立地帯までは、少し時間がある。その間に、最低限の情報を与えるとしようか。」
「どうせ、監視を掻い潜らなければならないから、少し遠回りをする。その間に話し終えとけよ。そうしねえと、後が面倒になるからな。」
そう言って、オルと呼ばれていた人(あのすっっっごくマナーが悪い人)は、ドアを閉め、前の方に行った。
それから間もなくして、馬車がゆっくりと動き始めた。
読んで頂き、ありがとうございました!
先週、お休みしてしまったので、もう1話投稿させていただきました。
ぜひ読んでみてください!