特務隊~育成枠の面子~
セリフは、出したんだ……
今度は育成枠の新人達が自己紹介を始めた。迅には見慣れた連中ばかりだが。
「メカニッククラス出身、白部蘭です!不良やってましたが、改心しました!頭は弱いですが、実行は人一倍得意っす!よろしくお願いします!」
「メディカルクラス出身、神崎千弦です!諸事情で性別隠してます!薬の調合が得意で、運動は護身術程度しかできません!こんな自分ですが、よろしくお願いします!」
「対人戦クラス出身、エリザ・マキです。奇襲を得意としており、力技は苦手です。元は地球レジスタンスの親を持っていますが、今は絶縁しています。よろしくお願いします」
「マルチ戦闘クラス出身、勢川迅です。地上戦が得意です。主に銃とナイフの二刀流が得意っす。先輩方に早く追い付けるように精一杯やらせていただきます。よろしくお願いします」
このように、それぞれ性格が現れる自己紹介であった。
さて、自己紹介を終えた彼らに待っていたのは大量の食事であった。なんと、特務隊のメンバーが異常な程の量を持ってきたのだ。しかも全部食って吐くなと言う。鬼畜か。
奇跡的に全てを胃の中に詰め込んだ四人は、風呂も忘れてベッドで胃もたれと戦うこととなった。
翌朝、シャワーを浴びようと部屋から出た迅は首を掴まれ、トレーニング室にぶちこまれ、バーベル持ってスクワット200回をやらされた。早起きのご褒美はダンベルプレス200回追加だった。改めて言おう鬼畜か。
しかも朝飯は炭水化物が無く、肉と野菜と果物がそれぞれの皿に大量に盛り上げられていた。全部食わされた。その後風呂にぶちこまれ、装備を纏わされ、探索に連れ出された。
「こ、これが、育成枠の、訓、練、か……」
迅にとって、生まれて二回目の声に出した弱音であった。
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