軍学校編 ~プロローグ~
スマホで書くときって、なんかハッスルしますね
2075、12月24日。まだ日本やアメリカといった国の区切りがあった時代には、クリスマスイブというものがあっただろう。しかし、宇宙戦争の激しさから、若き少年少女達がそれを楽しむ余裕すら与えられないのが現実である。
南北米、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、西アジア、あらゆる場所が月の民の軍組織、ムーンレジスタによる進攻で、戦場と化し、廃墟都市となった。そのため現状、都市や軍施設として安定した機能を持っているのは、西側を除いたかつてアジアと呼ばれた領域である。
更に、50年という歴史の中で開発が進み、両軍のロボット兵器の進化もあった。
まず、戦車や飛行機といった兵器が、人間と同じく両腕両脚をもつ人型となった。
銃や剣も敵の装甲を簡単に撃ち抜き斬り裂けるようになった。
つまり最近の戦いは、いかに敵の攻撃を避けて立ち回れるのかが重要となる。
と、いうのが今日の授業内容であった。あまりに長く感じた復習内容に、少年は大きなあくびをした。
この少年、ブリテン帝国軍学校に在籍している三年生である。名を勢川迅。軍学校では珍しい、長髪を雑に結んでる男だ。
性格はクールではあるが、情に弱い男。勉学の成績は平凡そのものだ。身体能力は幼少時期のトレーニングで軍学校では上位に食い込む。武器の扱いは特にずば抜けて上手い。
卒業の近い三年生は軍所属に向けて勉強、トレーニング両方に励んでいる。ここでの成績が、配属される部隊や地位に大きく影響するため、よりよくあろうという信念で全員が取り組む。
しかし迅は他の生徒のように成績にこだわりがない。むしろ悪くなって育成枠の地獄に送り込まれてもいいと思っている。
成績だけに縛られて、見栄はって、苦しむくらいなら、ゆっくり適応して、少しずつ戦力としての評価を得ればいい。程度の考えだ。
なので、他人の応援をすることはあっても、自分のために何かするわけではない。その柔らかい姿勢は、三年生全員の癒しにもなっている。彼は自然体を望んでいるので、自然と不良どもも彼に影響され、自然と本来の自分であれるようになったのだ。
そんな彼が大人に評価されるかと言ったらそうではない。今回は彼の卒業までをここに記していこう。
会話が無いという
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