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『破壊』と『再生』(仮題)  作者: 七面鳥の丸焼き
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6話 新たな仲間

「お、おい!大丈夫か!?」


倒れこんだ人型の鼠に駆け寄り傷口を見る

血がとめどなく溢れて服を、地面を赤く染めていく

左手で鼠の体に触れて治れと念じる

すると左手の模様が光りだし、血が止まり傷口が徐々に治っていった

そして数秒後には怪我をしていたなんて嘘のようにきれいな毛並みが生えていた

弱々しかった呼吸もすっかり良くなっている


「森の奥で一体何が…?」


いや、今はとりあえずこの子を町まで運ばないと

血の匂いでモンスターが集まってきてしまう

俺は鼠を背中に担いで町に帰った






★☆★


「こ、ここ…は?」


見知らぬ天井、見知らぬ場所

私はどうしてここに…?

確か森に薬草を取りに行って、気が付いたら奥の方に行っちゃって…

襲われた?うまく思い出せない…

誰かに助けを求めたのは覚えてるんだけど…

ここはその人の部屋、なのかな?


「あ、起きた。どう?痛むところはない?」


部屋に8歳くらいの男の子が入って来た

この部屋の人の子供かな?

あれ?でも格好は冒険者っぽい…?


「どうかした?どっか痛む?」

「あ、いえ、大丈夫…です」


つい敬語になっちゃった…

相手は小さい子なのに…

それにしても初対面の女の子に対して口調がなってない

親御さんが来たらちゃんと言っておかないと


「ならよかった。初めて人に使ったからちゃんと治ってるか心配だったんだ」


使った?治ってる?

わ、私に何をしたんだろう…?

もしかして何か如何わしいことを…!?

…流石にないよね


「あの、助けてくれて、ありがとう」


そういえばお礼がまだだった

お礼を忘れるなんて…いくら相手が小さな子でもさすがに失礼だよね


「あぁ、どういたしまして。それで、どうしてあんな怪我を?」

「あの、薬草を取りに行ったら気が付いたら奥まで行っちゃってて。…そうだ、帰ろうとした時にゴブリンとウルフに襲われて…」


だんだん思い出してきた…

そうだ…私、死にかけたんだ…

いや、いやだ。死にたくないよ…


★☆★


襲われたときのことを思い出してしまったのか震えだしてしまった

体を丸め肩を掴んで震えている

ど、どうやって宥めたら…


「だ、大丈夫だよ。落ち着いて~」


隣に座り方を抱き寄せる

そして大丈夫と言いながらゆっくり頭を撫でた

次第に体の震えは収まり鼠さんは顔を上げた

顔は青くて赤いがとりあえず大丈夫そうかな


「あ、ありがとう…。震え止まった…」

「そりゃ何よりだよ。ごめんね、急に引っ付いて。俺は紘兎。君は?」

「ううん、平気。私はリュア。改めて、助けてくれてありがとう!」


青かった顔も今では普通の顔色になりようやく元に戻ったようだ

口調もだんだん崩れてきたから心も開いてきてくれてるのかな


「それじゃ、病み上がりだからもうちょっとだけ休んでな。帰りは送ってあげる」

「…帰る家なんてないよ。森に薬草を取りに行ったのもギルドの常駐クエストをやって生活費を稼ぐためだったの」


悪いこと言っちゃったな

見た感じ15歳くらいの女の子なのに苦労してるんだな…


「常駐クエストやってるってことはリュアも冒険者?」

「うん。駆け出しのEランクだけど…」

「俺もEランクなんだ。よければしばらく一緒にクエストやらないか?俺この町初めてでいろいろと教えてほしいんだ」

「え?冒険者になるには15歳にならないとダメなんだよ?君どう見ても15歳いってないよね?」


俺は収納袋から冒険者カードを取り出してリュアに突き付けた


「冒険者カード?君のね。…え!?22歳!?こんなちっちゃいのに!?」


ちっちゃい…

ちっちゃい…

ちっちゃい…

改めて言われるとグサッと来る…

それも女の子から言われるとは…


「あ、あれ?もしかして禁句だった?ごめんね!?私でよければ一緒にクエストやるから!だから帰ってきてえええええ!」


遠い目をして意気消沈している俺を見てリュアは慌てて話を変えた

何はともあれ仲間が増えた

元の世界では友達1人作れなかった俺が仲間を作れた

あぁ、うれしさと悲しさで涙出そう…


「ちょ!?私が悪かったから泣かないで!ね、ほら!べろべろば~!」


どうやら本当に涙が出てしまったらしい

てか慰め方!

赤ちゃんレベルまで下がってるぞ!






次の日、俺とリュアはギルドにクエストを受けに来ていた


「何受けるの?」


クエストボードの前でチーが聞いてきた

今俺たちが受けられるのは薬草集め、ラビットの肉納品、スライム討伐、ゴブリン討伐だな

他は今の俺たちでは荷が重い


「この中で一番報酬がいいのはゴブリンかな。あ、そう言えば俺昨日スライムとゴブリン狩ったんだった。売ってくるからちょっと待ってて」

「あ、付いてく」


スライムの魔石とかを売りにカウンターへ向かった

ちょうど冒険者登録をした時のお姉さんのところが空いていたのでそこに行った


「こんにちわ。スライムとゴブリンの落としたアイテムを売りたいんですけど」

「かしこまりました。こちらのトレイに乗せてください」


出されたとレイにスライムの魔石を乗せていく

昨日帰る時にも10匹ほどに襲われて右手の錆にしてあげたので40個のスライムの魔石とスライムジェル

あとゴブリンの魔石と牙を乗せてお姉さんに渡した


「凄い量ですね。査定いたしますので少々お待ちください」




「お待たせいたしました。全て合わせて3200ゴルドになります。それとこの度紘兎さんのランクがDになりました。おめでとうございます」


スライム40匹とゴブリン3体でDになれるんだ

ならリュアもすぐにDになれるな


「紘兎、おめでとう!」

「ありがとう。こんなに簡単に上がるもんなんだな」

「それは違います」


受付のお姉さんから反論があった

どうやらEからDに上がるのだけとても簡単なのだそう

スライムを15体以上もしくはゴブリンを3体倒せばDになれるそう

Eはお試しみたいなものでDから本格的な冒険者となる

そのためEランクの依頼は種類が少ない

ちなみにこれ、本来ならカードを受け取るときに説明されるもの

俺は詰め所で受け取ったから説明されなかったのである


俺たちはお金を受け取ったあとお互いの力を確認するために町の外に向かった

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