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『破壊』と『再生』(仮題)  作者: 七面鳥の丸焼き
6/11

5話 遭遇

レインさんとの外食の次の日

俺は町の外に出ていた

理由は簡単、戦闘してみたかったからだ

さて、手ごろな相手は…


「ピキィーーー」


へぇ~、この世界のスライムは鳴くのか

目の前にいる青いジェルから発せられる声(?)にそんな感想をいだきつつ飛び掛かってきたスライムをキャッチする


「うげっ…。意外と痛かった…。とっとと壊れろ!」


右手でキャッチしたスライムを掴み壊れろと念じる

するとスライムはキラキラと光の粒子となって消えていき手の中には小さな石と青いプルプルしたものが残った

鑑定してみるとスライムの魔石とスライムジェルというものらしくスライムのドロップアイテムみたいだ


「いってぇ~、スライムの攻撃ってあんな痛いのか。これは気を引き締めていかないとすぐに死んでしまうな」


左手で体を癒している間に今後の戦い方をいろいろと考えた

まずは暗殺型

これはその名の通り相手に気付かれないようにスニークキルをするというもの

多分これが一番怪我をしないと思う

気配や足音を消すのに苦労するくらいか?


次に回避ごり押し型

名前の通り敵の攻撃を回避しながら近づき右手で破壊するというもの

避けるのを頑張れば怪我は少なくなる

あとは俺の体力次第


次に回復ごり押し型

考えた作戦の中で最も危険かつダメージがでかい作戦

左手で常に回復をしながら突き進み敵を撃破するというもの

考えていてあれだがかなりサイコっていると思う

これはもう最後の手段だな


最後に臨機応変型

武器や防具、魔法など使えるものすべてを使い臨機応変に戦うというもの

これに関しては俺は剣の扱いなど全く知らないので一から習わないといけないのでかなりの時間が必要

だが最もスタンダードかつバランスの取れる戦い方だ


「ま、普通に考えたら臨機応変型だろうけど、俺は回避型を選ぶ」


臨機応変型を選ばない理由としては単純に俺がスタンダードで行きたくないからだ

きつくなってきたら武器を使えばいいだろ


「さて、体も痛くなくなったし休憩終わり」


左手での治療が終わったので今度は回避メインでの戦闘訓練をすることにした

体が小さいから避けるのは得意だぞ!








避けるのが得意とか以前の問題だった

あいつら飛ぶ前にワンクッション入るし、飛ぶのも直線にしか来ないから簡単に避けれる

てかワンクッションの間に触って破壊できる

スライムが雑魚な理由がよく分かった


「しかもレベルが全然上がらないというね」


もうすでに30匹近くのスライムを光りに変えている

でもレベルは一向に上がらない

スライム経験値少なすぎ…


「この辺スライムしかいないからなぁ…。あの森行ってみるか」


町から見えていた森

主にスライムやゴブリンなどの雑魚モンスターしかいないらしく初心者冒険者の練習場となっている

こんなことなら最初から行っておくんだったな






「ギギ」


緑色の体に醜い顔

口からは鋭い牙が見えており手にはボロボロだが剣が握られている

あれがゴブリンか…

身長は俺と同じくらい

それが3体いて辺りをきょろきょろとしている

どうやら獲物を探しているようだ


「3体か…、行けるか?」


最初のうちに1対多を経験しておいた方がいいよな

怪我をしても左手で治せばいい

回避型できつくなったら回復型で攻めていこう

そう決めた俺は一度深呼吸をしてからゴブリンたちに向かって走り出した


「ギギ!?」

「とりあえず1体」


ゴブリンがこちらに気付いたが一瞬早く俺の手が一番近いゴブリンに触れた

触れたゴブリンは光の粒子となり小石と牙を1本落とした


「ギギっ!」

「っと、あっぶない」


1体倒して息を吐こうとしたタイミングで他のゴブリンが手に持つ剣で切りかかってきた

ボロボロの剣で切れ味は最悪そうだが喰らいたくはないな

毒が塗られている可能性だってあるだろう

だから少し大きく避けた


「ギギギ!」

「毒は、特に塗られてないっぽかったな。なら武器を先に破壊するか。あれは売ってもお金にはならないだろうし」


剣に毒が塗られてないのを確認した後俺は避けるのをやめた

ゴブリンたちはそんな俺を見て観念したと思ったのかニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべて近づいてきた

片方のゴブリンが剣を振り下ろしてきたので壊れろと念じながら右手の平で受け止める

剣は俺の右手に触れたところでぽっきりと折れてしまった


「ギギっ!?」


さすがに切りかかってきたゴブリンもこれには驚いたようで折れた剣と俺を交互に見て目を見開いていた

いくらボロボロの剣といっても簡単に折れるものではない

それはゴブリンたちも知っているがために簡単に折れてしまったことに驚いてしまった

その隙は戦闘慣れしていない俺でも十分といえるほどだった


「破壊」


ゴブリンたちは光の粒子となり小石と牙を残して消えた


「ふぅ…。初めての戦闘らしい戦闘だったけど、意外といけるもんだな。ま、雑魚モンスターって言うのもあるんだろうけど」


あ、そう言えば俺鑑定持ってるのに使ってないじゃん

バカかよ、モンスター見つけたら鑑定する癖つけないとな…

さて、ゴブリン3体倒したけどレベル上がったかな?


----------------


名前:紘兎

年齢:22

職業:魔法使いlv:2


HP:3200/3200 

MP:--/--

ATK:60

DEF:55

INT:--

MGR:--

AGL:55


スキル


魔法:※破壊魔法(右手) ※再生魔法(左手)


※模様を鑑定されない限り他者に見られることはない

----------------


お、1上がってる

でもたった1か

雑魚だから仕方ないか


ガサガサ


「っ!?」


不自然に草木の揺れる音がした

音のした方を見ると肩と脇腹から血を流した人型の鼠がこちらに倒れかけているところだった


「たす…け…て…」

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