4話 揉め事
「それじゃぁあとはカードができるまで待っててね」
と言われ元の場所に戻された
カードってどれくらいでできるんだろう?
ま、急いでないし気ままに待ちますか
「おうおうおう、やっと戻って来たか、クソガキぃ!」
「俺たちのことを散々無視りやがってこの野郎!」
「ぶっ殺すぞ!」
あ、まだいたんだ
もうどっかに行ってるもんかと思ってた
「暇なんですか?」
「「「暇じゃねぇよ!」」」
なら早くどっか行けよ
「このガキ、一発痛い目見せてわからせてやる!」
おっと、いきなり1人が殴り掛かってきやがった
先に手を出したのはそっちだからな?
こっちは正当防衛だ
んじゃま、右手で受け止めますか
殺すのはさすがにまずいし手の骨が全部折れるくらいってできないかな?
「ッハ!お前のようなガキに俺の必殺パンチが受け止められるわけ…ぎゃあああああああああああ!」
おぉ、本当に手の骨が全て折れてるぞ
殴りかかってきたオッサンの手首から上がふにゃふにゃになってる
これ使えるな
「な、あのガキ今何かしたか!?」
「俺の目にはデイブのパンチが当たったと同時にデイブの手が折れたように見えた。おそらく何かしら魔法を使っているんだろ」
その魔法が何かわからないと迂闊に攻撃できないと思うんですけど?
まだあきらめない?
あの転げまわってるデイブって名前のおっさん見て学べよ
「おいガリ、一緒に行くぞ!」
「おいおいマーチョ、さすがに抜剣はまずい」
「うるせぇ!ここまでコケにされて黙ってられるか!」
ガリにマーチョ
おいおい、デブにガリにマッチョってか?
名前ひどすぎるだろ
っと、さすがに剣はまずいな…
俺防御力50しかないぞ?
これがどのくらいなのかわかんないけど
「うぉら!」
一か八かやってみるか
怪我しても左手で治せるしな
剣よ壊れろ!
そう念じながら振り下ろされる剣に右手を突き出す
「は!血迷ったか!これで腕は貰ったあああああああああああああああぁぁぁ……あ?」
「うっくうううぅぅぅ~!イッテ―!」
剣は俺の右手に触れた瞬間バキンッ!音を立てて折れてしまった
すぐに壊れてくれたが刃に触ったため少し切れてしまった
あークソ、血が出てきやがった
再生しとこ
治れ~
「お、おま、お前!何者だ!なんで剣の方が負けんだよ!」
「あ?職業は魔法使いだけど?」
「ただの魔法使いがあんな防御力してるわけねぇだろ!は!さてはお前モンスターだな!人間に化けてるんだろ!本当の姿を見せろ!」
何を言ってるんだこいつは?
俺が人間に化けたモンスター?
バカも休み休み言ってほしい
ほら周り見てみな?
お前を見る目がかわいそうな人を見るものになってるから
「ここで小さな子が絡まれていると聞いてきたのだが」
可愛そうなものを見る目をしている人たちをどけて現れたのはTHE☆騎士って感じの犬獣人さん
声からして女性の方っぽい
「凄く不本意だがその小さな子は多分俺だ」
「そうか。おい、奴らを連れていけ。すまないが君からも詳しい話を聞きたい。ご同行願えるかな?」
後ろから現れた騎士の人たちがおっさんたちを拘束して連れていく
すげぇ、おっさんが必死で「俺は悪くねぇ!」って抵抗してもびくともしてない
「あ~…今ギルドカード作ってもらってるところなんだけど?」
「ならこちらに持ってくるよう手配してあげよう。その間に話を聞かせてもらえるかな?」
ふむ、それならいいか
待ってる間の時間つぶしになるし
ここで行かなければ俺の方が怪しくなるしな
「それなら構いませんよ」
「ご協力感謝する。それでは行こうか」
だからなぜ手を繋ぐ?
「なるほど。向こうが絡んできて無視したら殴り掛かってきたんだね?」
「はい」
「デイブという男の手をあんなにしたのも君なんだね?」
「はい」
ここで嘘を言ってしまうと後々めんどくさそうだからちゃんと言わないとね
「ふむ、向こうが先に攻撃してきたからやり返した。うん、正当防衛だね。奴らには然るべき罰を与える。君に罪はないから安心してくれ」
ふぅ…いくら俺が悪くないと言ってもやっぱ緊張するわ…
コンコン
「お、どうやら君のギルドカードが届いたようだ」
お、やっとか!
騎士の人が目の前の女騎士さんにカードを渡した
「ありがとう。さて、これが君のカードだ。…ん?22歳?」
「え?はい。そうですけど?」
「え、でもその見た目…え?、嘘!し、失礼した!成人している男性にあのような言葉遣い!誠に申し訳ない!」
と女騎士さんは頭をさげた
その勢いが強すぎて机にぶつけている
…机にヒビ入ってるけど大丈夫なのか?
「な、慣れてるんで大丈夫ですよ!ギルドの受付さんにも同じようにされましたから!それに俺も言ってませんでしたから」
「…本当に申し訳ない」
頭を上げた騎士さんの額は少し赤くなっていた
それだけで済むってどうなんだ?
騎士さんからカードを受け取り収納袋にしまう
無くして再発行とか余計な出費したくないしな
「えっと、紘兎殿。先ほどは本当にすまなかった。もし時間があるようなら食事を共にしないか?詫びの意を込めて食事代は此方が持つ。どうだろうか?」
うーむ、そんな気にすることないんだけどな…
ま、こういうタイプはきっちりしないとずっと気にするタイプだ
ここは受けるのがベストだな
「それじゃぁ、ご一緒させていただきます」
「ありがとう!実はこの間いい店を見つけたんだ!案内しよう!」
満面の笑みって
そして手を差し出される
これは繋げと?
「あ、すまない。どうしてもその…つい、な」
…まぁ、迷子になったらだめだしな
「いいですよ。行きましょう」
「あぁ!」
俺は騎士さんの手を繋ぎ騎士さんに引かれて食事をしに行った
食事の時に聞いのたが騎士さん名前をレインさんと言い18歳だそうだ
18歳…高校生に手を引かれる22歳って…
レインさん、実はヒロインではないんです
次かその次辺りにヒロインが登場する予定です