Re:すとれすかいしょう
10分間クオリティです。
ご了承ください。
「よっ、和くん。今日も元気かい?」
いつもよりも明るい声で僕に話しかける幼馴染の弥生。学校でこんなに明るい彼女は、一ヶ月に一度見られれば多いほうだと思う。
「やあ弥生。僕は元気だよ。そういう君は、またアレやったね?」
嬉しそうに笑う彼女。その笑顔の裏に、どれだけの闇が隠されているのか知っているのは、多分僕だけだ。
「さすが和くん。もう私のことはお見通しだね」
いったい、今回は何が原因でアレをやってしまったのか。そう聞きたい気持ちもあるが、彼女がストレス発散のためにアレをやっているということを知っているので、聞くに聞けない。
「今回は何個作った?」
「んっとね、九個作ったの」
明らかに前回よりも増えている。このまま続けていて、彼女は大丈夫なんだろうか。
「和くん傘持ってる?私、天気予報観てなくて、雨降るの知らなかったんだよね」
「持ってる。二本あるから一本貸すよ」
「ありがとう!」
笑顔でお礼を言う彼女の後ろで、いつの間にか降り始めていた雨が、悲しく地面をはねていた。
アレってなんなんでしょうね。