節目
「おらよっ」
先行隊員1が芋虫に完全に飲み込まれるのを待たずして、プリンは少しばかり離れた所に隊員その2をごみのように投げ捨てる。
「お前何やってんだ!まだ生きてるんだぞ、お前の大好きなプリンを侮辱されたからってそれは無いだろ!!」
「黙ってろ、そんなくだらない話をしてる暇はない」
この間に芋虫は一人目を完全に飲み込みその体は隊員その2に向かっていた。
「この話がくだらない!?あいつはお前にごみのように投げ捨てられたせいで食われた!!お前に殺されたんだよ!!お前が殺したんだ!それのどこがくだらない!?」
そう怒鳴るがプリンの顔は真顔から呆れたという表情になった。大きなため息が吐き出される。
「あれは囮、餌だ生き餌だ。説明も何もないからわからないだろうけどな全部お前なんだぞ?死ぬもくそもない、お前がお前にまとまるだけだ。そこで芋虫に呑まれかけてるやつもさっき飲まれた奴も壁の中の奴らも俺もお前も芋虫も全部お前だ。安心しろ何一つ零れちゃいない。まあ少しばかり混じってたけどな俺が送り届けた安心しろ。」
「それは何のいいわけだよ!何言ってるかさっぱりだ!早くあの芋虫をどうにかしてくれよ!!さっきもあんな簡単に…」
顔を上げると絶句する。
そのプリンの顔は実に穏やかだった。
そしてその背後には数十メートルはあるさっきの奴とは比べ物にならないほど巨大な芋虫が真っ黒な口を開けていた。
「時間だな。今度から乗るバスには気を付けろよ!」
次の瞬間視界いっぱいにうごめくものがかぶさり暗闇に落ちた。
視界は暗く染まり何も見えないただ落ちる感覚だけが全身を支配している。やはり恐怖は感じずやがて意識すらも暗く薄れてくる。意識が完全に消える直前体の落下が緩やかに止まり世界が反転した。何も見えないがそう確かに感じた。そして体は上昇を始める。先ほどとは逆に意識が徐々に鮮明になっていく。
ある程度上昇していくとピッピッピッと音が聞こえ始めた。その音は一定の間をあけて規則正しくなっている。体が上昇するたび音は大きくなる。
ついにその音がすぐ耳の横に来た。体の中心から全身にジュワーと広がる奇妙な感覚先ほどの暗い空間とは違い肉体の重さを確かに感じる。瞼がとても重い。
このまま寝てしまおうかと考えると頭の中に声が聞こえてきた。
≪目を開けろ≫
何となくその通りにしなければならない気がして、鉛のように重く感じる瞼をこじ開ける。光が多すぎるとてもまぶしくてうっすらとしか目を開けていられなかった。それでも僕の顔を覗き込んでいるのがだれかはわかった。そこにいたのは二人の男女だった。
「「久しぶり」」
「ああ、久しぶり」




