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世界は節目を迎えました  作者: 零時
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シエルと日々と

 騒ぎが収まったのは数十分後の事だ。


 「俺、最初はお前らを使い捨てるつもりだった。でもよ、俺は夢を祝福してくれる奴らを、捨てる事なんてできねえ。気が変わった。力を合わせて絶対壁の外に出ような!」

 「ああ!」


 心が浄化されたような顔で彼は決意をあらわにする。

 そして熱意のこもった返事を返すポカリ。

 僕はそのことについて何も聞かされていない、仲間外れだ。圧倒的に言葉が足らなすぎる。


 「その計画初耳なんだが」

 「なんだって、ポカリに聞いてないのか?」


 ポカリの目は泳ぎに泳いで眼球が、若干カメレオンを彷彿とさせる動きをしている。すかさず攻撃が加えられた。


 彼らが計画していたのは、この壁を壊すなり上るなりして外に出るってことで、協力者にとして僕を呼んだのだとか。僕に話が伝わらなかったのは、ポカリが一人でドッキリを企画していたからだそうだ。馬鹿な奴だ。

 彼は一通りの説明を終えるまでポカリへの制裁の手を緩めることはなかった。顔面にはくっきり手の後がついている。どんな力で握ればあんな跡が残るのだろう。


 「じゃあ方法については追々考えて行くってことで」


 最終的に僕はこの話に乗ることにした。理由は割と色々あったが、決め手となったのは、壁の中に滞在する意味がないという事だ。それが最も大きな要因であり、それだけで十分な理由になった。


 「じゃあそろそろお開きにするか。日も登って来ただろうし何より眠い」

 「なら最後に、名前を教えてくれ、仲間なら知っててもいいだろ」

 「そうか俺の名前はまだだったな。元の名前は合わないからな、今はシエルだ」




 僕がシエルと出会って約半年が過ぎた。出会った当初、2日に一度ほどのペースで地下室へ集い壁を越える方法とその後について話し合いをしていた。ほとんどの時間は雑談に消えたがそれでも地道に事は運んで行った。

 なぜ2日に一度のペースだったのかというと、ポカリ対策のためだ。シエルお姉ちゃんは妹をポカリを合わせたくないのだ。彼女たちは毎日人格が交代、しかも生活が昼夜逆転している。しかし僕らは日中の生活がある。それプラス2日に1度徹夜で重要な会議、普通にきつい、まあ会うのは無理とはいかないがきついだろう。

 しかしそれはポカリに当てはまらなかった。こいつは不屈の精神で睡魔を黙らせ毎回会いに行った。和解もしたようで、もちろん目の下はクマだらけ。

 しかし2週間ほどたった頃にぶっ倒れてから、僕が頼み込んだこともありいやいや同意の上合わせてもらえるようになった。それに伴い会議も3~4日に一度となった。


 それからは、夜に地上に姿を現したシエルを目撃され、ちょっとした騒ぎにはなったが、これとして大きな問題はなく、ついに決行一週間前となった。

 



 

 











 


 

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