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世界は節目を迎えました  作者: 零時
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プロローグ 1

 それはつい数十分前の話、僕はその時バスの乗車口のすぐ目の前の座席に座っている。客は僕以外に3人いる。

 仲がよさそうな老夫婦ともう一人は後ろ姿からおそらく中学生くらいだろう、それぞれ僕の後ろの席と運転手の真後ろの席に座っている。

このバスの中の雰囲気はとても静かだ、まるで空間が凍りかけているような感覚がする。

もちろんイメージだがそのイメージがかろうじて、凍ったような、という表現にならないのは窓の外の土砂降りのおかげだ。流石に3人+僕+運転手しかいないとはいえ凍った空気というのは、何となく気まずい。他の客はどうかわからないが、僕は嫌だ。

 だから僕は神様に願ってみる、いっそ声に出して言ってみよう。

「神さ・・・」ゴッ!!

 割と大きな音とともに、背中に大きな衝撃が来た。おそらく老夫婦の旦那の方が、僕の背もたれを蹴ったのだろう、だいぶ歳のように見えるのになんて、パワフルな爺さんだろうか。

 僕は素直な関心とお願いを最後まで口にできなかったことにちょっとむかついたので、少し顔面をにらめつけてやることにした。なんてことはないこんなパワフルな蹴りを繰り出す爺さんだ、ちょっとやそっと睨みつけた程度でどうにもならないだろう、可能性としては、逆に睨み返してくるかも知れないが、僕は一方的にむかつきを眼光に変えて解き放つだけだ!。

 僕は相手の顔を思い浮かべながら渾身のにらみを利かせた顔で後ろを向いた。


 婆さんだった…


 しかも恐ろしい形相でこちらを睨みつけている、なぜあんなに怒っているのか見当もつかない。そして肝心のじいさんは寝ているではないか、どうやら背もたれにパワフルなキックを放ったのは、パワフルな足をもってそうな形相の婆さんだったようだ。数秒固まってしまったが、どうにか前を向きなおすことに成功した。なんという事だ渾身の眼光をぶつけるどころか鬼の形相で睨み殺される所だ。

「負けた…」

 心からの一言だ

 婆さんが何を考えているのかは全く分からないが、敗者は何もいう事が出来ないと僕は勝手に納得した。

 完全に逃げである。

 そうこうしているうちにバスが停車した。誰も下車のボタンを押していないを見ると誰か乗ってくるようだ。バスの乗車口が開いた瞬間滝が地面に当たっているかのような音が流れ込んできた。そのばかでかいおととともに乗車してきたのは、水の入ったバケツを頭からかぶったか、それ以上にずぶ濡れになった黒髪ロングヘアーの少女だった。それらしい制服を着ているので、おそらく高校生だろう。

 少女はバスの前側へ移動し座席には座らず横に立っている。座席が濡れるのを気にしているのだろうか、きっと僕なら気にせずに座ってしまうだろうな。

 と僕は少し感心した。

 しかし関心とは別にひとつ気になったことがある。

「入ってくるときなんで笑顔だったんだ?」

 バスが発車した。

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