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第4運命「ハルクムからの贈り物」後編

 ウラルドとグレンは、曲刀カムラークのありか、封印されし地に着いた。

「よし、開けるぞ……グググ……あれ? 開かねぇ! 」ウラルドは力をこめて開けたらしいがびくともせず、扉は堅く閉じられていた。

 それは、危険なモンスターが出られないように破邪の呪文、つまり、光の呪文で扉とその建物全体を封印しているのである。それも、強大な光の力で……。

「どうしよう……此処、全く開かないよ……」グレンは困った様子でそう言った。

「グレン、大丈夫だよ……俺が開けてやっから……行くぞ? 」

ウラルドはそう言うと、剣を構えた。そして、

「ハッ!! 」ウラルドはパワーを開放した。

「クロス・スマッシュ!! 」ウラルドは剣をバツの字に振るう!

すると、ガラガラと音を立てて扉は崩れ落ちる……。

「本当は、強い攻撃なんだが、本気を出したら扉ごと吹き飛ぶから弱めにやったんだが……でも、この通り!!! ハッハッハー! 」何がハッハッハー……なのか、分からないが、ウラルドは、完全に、調子に乗ってしまったようだ。

「調子に乗りすぎだよ……でも、いっか、ウラルドのお陰で扉は開いたし……」そんなウラルドにグレンはそう言った。

 会話を終え、二人は扉を潜ると……そこには、地下の世界が広がっていた。

だが、そこにはモンスターはおらず、人骨が散らばっているくらいだった。

「何も居ないね……ここ……」

グレンが言った。

「そうだな……ん?……うわっ! 骨ぇぇぇ!! 助けてくれっ! 」ウラルドはグレンの受け答えをした後、自分の足元でゴリッと言う音が聞こえ、下を見ると人骨が突然目に入り、ウラルドは悲鳴をあげた。

「それはいいけど……気味が悪いよ……血の臭いがするし……」グレンは不安そうにそう言った。

「グルルル……」下の階から、モンスターらしき声が聞こえてくる……。

 二人は恐る恐る下の階に進んだ。

「ギャウギャウ!! 」何と下の階には、アンデット系のモンスターが数十匹居た。

「!! 」

「しょうがない、喰らえ!『シャインネス!!!』相手はアンデット、光には弱いはず!どうだ!!! 」グレンは光呪文、『シャインネス』を使った。

「ギャァァァァ!! ボロボロ……」モンスターの叫び声と、力尽き崩れる音が響いた。

「よし、下の階に行こう! 何か在るかも知れないし……」

「だがな……グレン、さっきみたいにモンスターが出たらどうするんだ? 」

「ウラルド……何時から弱気になった? 進まなければ、始まらない……君の先祖、クリン・グレプントの言葉を受け継いだんだろ? 

 今、諦めている場合じゃない筈だ! ウラルド!! 」弱気なウラルドに向かってそう言った。

「分かったよ……確かに、俺は、先祖クリン・グレプントの意志を受け継いでいる。だがな……俺だって分かっている。俺は恐いんだ、英雄ジャックだってその戦いで死んだじゃないか! 」

「馬鹿! ウラルドは何も分かっていない!

 『英雄』は死んでいない! 意志は残るんだ……ウラルドだってそうだ、クリンの意志を継いだってんならその使命に向かうのが道理じゃないのか? 」ウラルドの弱気な発言に対し、そう言った。

「ハハハッ……、仲間割れですか? お取り込み中悪いですか? お二方……死んでいただけますか? 」謎の男がそう言った。

「アンタァ、何者でぇ? 」ウラルドは問う。

「申し遅れました……グレイシスと言います……」

――ザシュッ……

「ぐはっ……速い……」ウラルドは、グレイシスに斬られ地に突っ伏した。

「これは……これは、倒れましたか。まだ、挨拶したとこなのに……フフフ……」

「何が挨拶だ! ハッ! 」

――ブゥゥゥン……

「光剣技、『シャインソードブレイク』! 」

――ザシュザシュザシュ……

「ぐは……、残念だ……」

――シュン……

「此処で、お前が死ぬことが、非常に! 」

グレイシスはそう言うと、なにやら呪文を唱えた。

 土、火、水……三種類の異なる属性が絡み合い一つの呪文が完成した。

「フフフ、これを喰らって生きた者は居ない……つまりお前は此処で死ぬのだ! これを喰らい消えろ……『ギャラクシィ』! 」

―シュウウウウウン……ピュンピュン…… 凄まじい呪文が、グレンを襲う……。

「ハア―! まだまだ、だな。その程度の力で何の冗談だ? 」

塵煙が舞いその中から、グレンが姿を現した。

「無傷とは……な、どういうことだ? 」

「お前こそ何者だ!その呪文、ただの呪文じゃ無い……多人数合成呪文『ギャラクシィ』通常、三人以上でないと発動出来無いし、魔力が底尽き、死に至るはずだ! 」グレンは問う。

「確かに、お前の言う通り、通常、三人以上でないと発動出来無い、魔力が底尽き、死に至る程、魔力を消費する。だがな、それは、『通常の場合』……だ。魔力が膨大ならば、底は尽きないしどの呪文でさえ……発動できるのさ」

グレイシスはそう言った。

「俺は、天性の『究極魔力術士』なのさ……」

「何? ……分かった、もう手加減なしだ! 」

――ブウウウウン……

「ナンジ、曲刀カムラークヲモトメンモノヨ……サアヌケ!! 」

どこからか声が聞こえグレンの耳に入った。

「ん?何か聞こえる……」

――ピイイイイン……

向こう側から光るのを見つけ、グレンは、グレイシスの隙を見つけ、そこへ近づいた。

「何だこれは……剣? これが曲刀カムラーク? まあ良いや、抜いてやる! 」

グレンは剣を握ると紋章が呼応し現れた。

「ハア! 」

――キシュン……

「抜けた! 行くぞ! 」

「貴様! そこに居たか!殺す!! 」グレイシスはグレンを見つけると襲い掛かった。

キイイイン……剣がぶつかる音が響いた。間一髪、グレンは剣を受け止めた。

「貴様! やるじゃないか、だがなそこまでだ! 」

「アンタこそ……そのまま言葉を返すよ! 」

「言うじゃないか餓鬼が……」

二人はぶつかり合いながら言い合う。

「『ファイアエンズ』! 」と、グレン、

「『ウォータエス』」と、グレイシスが呪文を唱えた。

「剣よ纏え!! 」二人はそう言うと呪文剣が完成した。

「ハアー! 」

「死ねー」

 ―キイイイイン……ザシュ……バタッ……

「まさ……か……」そう言うとグレイシスは消えた。

「ナンジ、曲刀カムラークヲ使イ我ノ分身ヲ倒ストハ……」

「だが! あれはグレイシスだ! 分身でないはず」

「我ノ『ディメンション・ムーヴ』ヲ使エバ容易ナコト……アレハ、グレイシスダガ、我ノ魔力ノ塊ダ……」そう言うと人が現れた。

「私はクラン・グレード。この曲刀カムラークを守る守護神……曲刀カムラークはお前の手に渡った、これで私の役目は終わりだ。だから頼む、もう一度、世界を救ってくれ。そして、俺達『ジャック』を成仏し、滅食との因縁を断ち切ってくれ! 頼む! 」クランはグレンに頼んだ。

「分かった! あんた達の成仏と因縁それだけじゃない! 皆救ってやる!! それにあんた達のこと尊敬してるからな! 」グレンはそう答えた。

「有り難う……これで、俺は安心して眠れる……」クランはそう言うと消えた。

「ハルクム……やったよ……」グレンはまるでハルクムに語りかけるように口ずさんだ。

「でも……ウラルド……が……」

「が……なんだ? 俺は生きてるぞ? 」ウラルドは、グレンの言葉の途中に付け加えたようにそう言った。

「ウラルド!! 死んだかと思ったんだぞ! 」

「勝手に殺すなーバカヤロウ!! 」

「ハハハ! 」

「でもな、俺にも分からんが、気付いたら生きてた」

「なら、いいや。生きている事に感謝しよう! 」

「そうだな!帰るか」

 二人はそうやり取りすると、プリカル王国へ戻った。

すると、クライドラ王とプリセル王女が、王国の門の前に立っていた。

 そして、クライドラ王とプリセル王女は帰ってきた二人にこう言った。

「グレン、ウラルド。二人共!!おかえり……」と……

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