第3運命「ハルクムからの贈り物」前編
グレンが目を覚ますと何かの建物に居た。
「目が覚めたか……良く頑張ったなぁ~、俺の為によ~、ありがとな……」と、ハルクムの幻が話し掛けた。ハルクムは笑っていた。
「おい……どうした? 」
ウラルドが言った。
「ウラルド……ハルクムが立っていて、笑ってたんだ。そして、言ったんだ、良くやった俺の為にって……ううっ……うっうっ……夢じゃないのか……うっ……」
グレンは急に悲しくなって言った。
「ああ……ハルクムは死んだ、でも、お前はハルクムの仇を取った、それでも、良くやったよ……泣くな……そうだ、ハルクムが死に際に……これを渡せと言っていた、ほら……」ウラルドはそう言うと、何かを渡した。
グレンは受け取った。
「何だろう、これ、ペンダント?開き式のペンダントだ……」グレンはペンダントを開くと、何と、地図が入っていた。
「グゥエイム一家の伝説の剣、『曲刀カムラーク』のありか……」と、グレンは声に出して読んだ。
「何だい?その、曲刀何とかって? 」と、ウラルドが言うと、グレンは説明した。
「違うよ……曲刀カムラークだよ……王家に伝わる伝説の剣。俺は聞いたことがある……昔、戦いに敗れた男は、二度と開く事がない『ルーインドゲート』を無理矢理こじ開けたと言う……だが、その戦いに勝った戦友の男は、ルーインドゲートを開いた戦友の死に怒り、伝説の曲刀カムラークの封印をとき、それを使い……ルーインドゲートの魔物との死闘の末、魔物を倒し……ルーインドゲートを閉じたと言う……伝説があるんだ」
「まさか!? あの、ハルクムがこんな事を隠していたなんて……でも、ハルクムと何の関係が……? 」
ウラルドが問う。
「つまり、ハルクムはその伝説に出てくるゲートを閉じた男の、子孫という事だろう……と思う……だって、関係ない奴が、こんな物を持たないはず……ハルクムは王家の者なんだよ……推論だけどね。よし、行こう! 」グレンはそう言うと、早く見つけたくて準備をした。
「バカヤロウ……待て! その伝説の剣は本当に在るのか? 」
ウラルドが問う。
「いや……分からない……でも探すんだ、手掛かりはきっとある。探さなきゃ、ハルクムの形見を……行こう、じゃ無きゃ、俺、一生後悔する……」グレンが絶対在ると信じ、そう言うと、
「分かった……行くしかね~みたいだな……」
ウラルドは分かってくれた。
そして、グレンとウラルドは、伝説の剣、曲刀カムラークを手に入れるため……プリカル王国の封印されし地に向かって旅に出た。