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アイドルッ!  作者: 末吉
閑話・俗に言う昔話
36/205

もしも

二人が想像したものです。内容短いです

 ~もしもデスゲームに巻き込まれたら~


「ねぇつとむ」

「あ?」

「一緒にこれやらない?」

「ヘルメットぽいが……なんだこれ?」

「最近はやってるVRのゲームだよ」

「なんだっけか」

「オンラインゲームみたいなものを自分の脳の信号で行うってやつ。とりあえず取り寄せてみたんだよね」

「危険とかないのか?」

「一応解析したからないと思うよ」

「ふーん……まぁいいか」


 そう興味本位で了承したのがそもそもの発端だった。


 入っていたゲームは王道RPG。タイトルは興味ないので割愛する。

 とりあえず誘われるがままヘルメットみたいな奴を被って起動させたところ、俺の意識は現実から消えた。


 気が付いたら暗い空間に俺は存在していた。

 ここでキャラを創ると言われたが別段変えてどうこうするなんて考えなかったのでこのままに。名前は適当に『T』にした。

 職業を選んでくださいと言われ、まぁ無難に剣士。格闘家もあったが、剣の方が攻撃手段が増えるのでそちらにした(投げたりという意)。

 スキルとかはもう適当に。使うかどうかわからないから。

 そしたらストーリーが流れ始めたので適当に聞き流しているとチュートリアルが始まった。


 いきなりリアルに近い地面の感触を感じた俺は驚きながら、目の前に唸り声を上げている狼みたいな奴に視線を向ける。

 名前があるみたいだがどうでもいいので、こいつ倒せばいいんだなと重い腰にぶら下げている剣を引き抜く。

 これも結構本物に近いな。触った感じに感心していると、痺れを切らした狼が来たので前を見ずに右手に持っていた剣で狼の首をはねる。


 これも本物っぽいな……どんだけだよこのゲーム。


 血こそ吹き出たりしなかったが以前襲ってきたイノシシを素手で殺した感触と似ていた。

 やはり脳の信号でやるとリアルになるのかねなんて考察しながらチュートリアルが終わったらしく、『では頑張ってください』と言われ、場面がまた変わった。


 目の前に広がるは人の街並み。俺と似たような奴や様々な格好をした奴らがこの場で思い思いの行動をしていた。


 ……この人ごみじゃいつき探すの難しそうだな。そう思った俺はこれからどこへ行こうかと人ごみに紛れて適当に歩くことにした。


「デケーなこれは」


 人波に任せてきたら城の前に到着した。前方には門番が立っている。

 入れなさそうだから戻りたいが、人が自由に動いているので面倒。

 このまま待ってるか……と移動するのを諦めていたところ、ピコーンと音がしたので何か届いたのかと思い服を触るがふくらみがない。

 それじゃぁ俺のところに来てないのか…? と首を傾げていると、近くにいて宙に浮いている板っぽいものを見ていた男が「何やってるんだよあんた」と訊いてきたので「それどうやるんだ?」と質問した。


「チュートリアルでやっただろうが。なんで覚えてねぇんだあんた」

「……やったか?」

「やったよ……ったく。いいか? ウィンドウを開くときは空中で右手でも左手でもいいからつついて下におろす。閉じるときは隅に出てくる閉じるアイコン押せば閉じる」

「悪いな」


 例を言って言われた通りにしたところ、教えてくれた奴に限らずこの場にいた全員が悲鳴を上げたのでウィンドウを開いて『新着メール』というアイコンをタッチする。


 一番にそのメールが置いてあり、タイトルは『デッドオアアライブ』。タッチして中身を読むと、非常に短い文章でこう書かれていた。


『全参加プレイヤー諸君へ。正式サービスが始まったことを祝し、あなた達には命を賭けてこれをクリアしてもらいたい。一日でも早く現実に戻りたいのなら、早急に行動するべし』


 読み終えた俺はそっとウィンドウを閉じる。そして阿鼻叫喚な連中を尻目に道具屋へ向かった。


「いらっしゃい。何やら外が騒がしいけど、一体どうしたんだい?」

「さてな。ところで、地図が欲しいんだが」

「地図ね……あるにはあるけど3000はするよ」

「マジか……」


 急いで残金を確認する。すると所持金は一万あった。


「買う」

「はい。毎度」


 残金7000になりながら地図を手に入れた俺は店を出て人が通らなそうな場所に隠れて地図を広げる。


「今いる町の座標を示してくれるのはありがたいな……って、広くねぇかこれ」


「どうやったらゲームをクリアするのか分からないが……移動していけばいいか」


 そう呟いて地図をしまった俺は、ここから近い町へ向かうことにした。






 出口付近にて。ここまで来ると人通りがないので気配を消す必要ないなと考えて現した俺は行こうとしている方向に人がいるのが見えた。


 ある程度近づくと向こうが分かったらしく近づいてきた。


「やっぱり出発する気だったんだね。待ってて良かったよ」

「悉く俺の考えが読まれてる気がするのは気のせいか? いつき」

「気のせいじゃないよ」


 そう言うとウィンドウを出して何か操作したかと思うと俺のウィンドウに『パーティ申請が届いています。承諾しますか?』と出てきたので、「はい」を押す。


「それじゃよろしくね『T』」

「こっちこそな、『ツキ』」


 そう言って握手した俺達は、このゲームをクリアしてさっさと帰ろうと思ったため最初の街を出た。






「次の街ってどこを通るんだっけ」

「ここから森を突っ切る」

「なるほど」


 ローブ姿のいつきが質問したので普通に答えると、ため息をついてから言った。


「あのさ……普通に道あるでしょ。こっちから行けばいいじゃない」

「最短距離を突っ走る」

「……一刻も早く帰りたいのは分かるけどね」

「そりゃそうだろ。いつまでもこんなところにいる訳にはいかない。色々あるし」

「まぁ学校とか?」

「そういうことだ」


 やれやれ。さぁ行くか。










「……ってな感じだろうな」

「だねぇ。そして半年ぐらいでクリアしちゃいそうだ」

「まぁつとむさんですからね」


「あら皆さんお揃いで。どうかしましたか?」

「白鷺さん。どうかしたんですか?」

「たまたまここを歩いていたところ皆さんがお揃いでしたので声をおかけしたんです」


「それで、何をしていらっしゃったのですか?」

「もしも~~だったらという話をしていたところだ」

「そうなんですか。私も混ぜてもらえませんか?」

「いや、別にいいけどよ」

「何かあるんですか?」

「そうですね………これならどうでしょう?」

「「「?」」」

まだ続くようです

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