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アイドルッ!  作者: 末吉
第一幕・エピローグ
33/205

その後とこれから

第一幕終了です。

 ふと目が覚めた。それから体を起こそうとしたら、十分かかった。

「ここは・・・・・・病室?」

 辺りを見渡すと、どうやら個室らしく俺以外の患者は見当たらなかった。

 どうしてここに?と考えていたら、意識を失う前の事を全部思い出した。

 そうか……それで――、と考えをまとめていたら、看護師の人が俺の様態を見に来たのか、病室に入ってきた。そして、俺を見るなり驚いて、急いで部屋から出て行った。

 なぜそんなに驚くのか分からなかったが、俺はそれを考えることをやめて、窓から外の景色を眺めた。その景色を見ると、ここが四階ぐらいだと推測できた。

 なんでって? ここは俺がよく(喧嘩によって)入院してた病院だからだ。さっきの看護師も見たことがあった。この年に入院なんて久し振りだなぁ~と感慨にふけっていたら、突然ドアが、ドバァァン!! と勢いよく開いた。そこに居たのは、

「お兄ちゃん!!」

 と言って嬉しそうに入ってくる妹と、それを穏やかに見守る両親の姿だった。

「心配したんだよ!? なかなか目を覚まさないから!」

 そう言いながら茜は、ベットの近くまで来た。それに苦笑しながらも、ずっと心配していたであろう妹にこう言った。

「ありがとよ。心配かけてごめんな」

 茜が言うよりも早く、親父がこう言った。

「よく生きてたな。ま、それ位じゃなきゃ今までで死んでいただろうがな」

「うっせ。それより珍しいな、親父が来るなんて」

「当たり前だ。お前が事故に遭ったと聴いた時、普通に驚いたんだぞ」

 そんなことをやっていたらお袋が、

「元気になったのだからいいじゃない。それより、時々見舞いに来てた人達が私には気になるんだけど?」

 と言ってきた。俺が寝てる間に誰か来たのか? いつきだったらお袋は分かっているから何も言わないだろう。となると、誰が来たんだ? と考えていたら、茜が急に不機嫌になった。

「どうした?」

「そうだよお兄ちゃん! あの人たちは誰なの!? それに、どうして光さんも来てたの!?」

 そんなこと俺に訊かれても分からないんだが。寝てる間に何があったのだろうか? と不思議に思った。それを引きずるのに意味がないと判断したのか、親父がこう言った。

「そろそろ帰るか。明日にでも退院できるか訊いてからな」

 その一言に茜とお袋は渋々と従い、「また訊くからね!」「明日にまた来るわよ」と言って部屋を後にした。


 また一人なった俺は、今度は自分の恰好を見た。入院患者がよく着ている服で、俺の服はどこに行ったのかと探そうとしたら、コンコン!とドアをノックする音がした。

 また誰か来たのかと思いながら時計を見ると、時刻は午後四時半。見舞いにいつきでも来たのか? と思い、「どうぞ」と言ったらドアが開いた。その時、お袋が言っていた「見舞いに来てた人達」の意味を理解した。

「本当に起きたみたいですね。・・・・・・・・まだどこか痛みますか?」

 入ってきて早々こう言ったのは、白鷺美夏だった。

「なんで俺が事故に遭ったのを知っているとか、ここに俺がいることを何で知っているとか、訊きたいことが山ほどあるが、ご足労なこって」

 と言いながら白鷺を見ると、どうやら一旦家に帰って着替えてきたみたいだ。これからパーティに行くみたいな恰好をしていた。そんな風に観察していると、白鷺が何故か頬を赤らめてうつむきながらこう言った。

「そうやってマジマジと見られるなんて・・・・・・・・・・私のこと好きなのですか?」

 ただし、あまりにも突拍子のない言葉だったが。

「なんでそうなる!!?」

「だって、真剣な眼差しで私の事見ていたじゃありませんか」

「ちげぇよ!!? ただ『新鮮だな』と思っただけだ!!」

 …………。しまったぁぁぁ! 何言ってんだ俺!!?

「ふふっ。それはありがとうございます。それで? 似合いますか?」

 頭を抱える俺を見て、白鷺は似合っているかと一回転してから訊いてきた。

 クルリ、と鮮やかな一回転。それを見て俺は、モデルでもやっていたのか? と思いながらも、ひとまず感想を言った。

「似合ってる。何処かのお姫様かと思った」

 そんなセリフは幾度となく言われたはずだ(勘だが)。

 なのに、それを聴いた時の白鷺の反応は、

「え? そ、そうですか・・・・・・・・ありがとうございます♪」

 と満面の笑み(本人にとってどうだったか知らないが)で返してきた。

 ・・・・・頬がちょっと赤いが。

 普通に褒めただけなのに、この反応はいかに? とちょっとは悩んだが、悩んでも意味はないと結論付けた。

 その後少し話したが、時間が近づいたとかで帰って行った。

 その時に、白鷺から「美夏と呼んで結構です」と言われた。何か心境の変化でもあったのだろうか?


 美夏が去り、また暇になった俺はとりあえず、ストレッチをした。余談だが、この病院の面会時間は午後八時までとなっている(主にいつきのせい)。

 それをやっていたら、急にドアが開いた。夕飯でも来たのか? と思ってドアの方を見ると、

「そんなことして大丈夫ですか!!?」

 と言いながら長谷川が入ってきた。

「大丈夫、大丈夫。体ほぐしてるだけだから」

 それに構わずストレッチを続けていたら、

「怪我人なんですから安静にしてください!」

 と言われて、強制的にベッドに戻された。その時に互いの顔が近づいたが、長谷川だけ赤くなった。俺はというと、普通。ここまで平常心が保てるのは誰のおかげなのだろうか? ふとそんなことを思ってしまった。

 そして、気まずい空気に。

 沈黙を破ったのは、長谷川だった。

「あの後、」

「ん? 事故の後か?」

「はい。あの後、ヘリが初めに来て、八神君を搬送していきました。救急車は、何故か来ませんでした。そして、警察が来て色々と訊かれました」

「そうなのか。ところで、あいつは?」

 あいつ、で分かったのかこう続けた。

「あの子ならどこも怪我はありませんでしたよ。それに「ありがとう」ってあなたに言ってました」

 ありがとう、か。いつも言われ慣れている言葉が、今回はくすぐったい感じだった。それを顔には出さずに、俺はこう訊いた。

「撮影はどうだったんだ?」

「撮影はですね、無事に終わったんですけど………」

 言葉を濁す長谷川を見て、嫌な予感がした。

「事故の現場を撮影していたらしくてですね、それをドラマに入れると言ってました。あの光景がとっても感動したらしく、編集で入れる! と意気込んでいましたよ、プロデューサーさん。それであなたの事を話したら、「今度学園側に名刺送ろうかな」と言っていました。よかったですね」

 事の詳細を言った長谷川は嬉しそうだった。対照的に、俺は暗澹(あんたん)たる思いだった。

 その後、見舞いに来たはずなのに、何故か長谷川の愚痴を俺が聴いていた。長谷川は、愚痴を言っている間に俺の事を、八神君からつとむ君、に変えていた。一通り愚痴を言ってすっきりしたのか、長谷川は帰って行った。帰る時に、「(ひかり)、とこれから呼んで下さいね?」と言った。なぜみんな名前で呼ばせようとするんだろうか。俺には分からん。


 さて、光(呼べと言われたので素直に呼ぶことにした)が帰った時の時刻は午後六時半。夕飯は光が愚痴を言ってる途中で食べていたので、シャワーを浴びて寝るだけなんだが、いかんせん、さっきまで寝ていたのか眠れない。なので、先程光に邪魔されたストレッチを再開したら、またドアをノックする音が聞こえた。今日の見舞客多くね? そう思ったが、黙ってドアを開けた。その先にいたのは、

「つとむさん!? 大丈夫なんですか!?」

「見舞いに来た意味はないんじゃないかしら?」

 篠宮姉妹だった。ひょっとすると、どこかで情報が洩れてるのではないか? 何の気なしにそう思ってしまう。なので、

「誰から聴いたんだ? 俺がここに入院してるって」

 思わず口に出してしまった。それに答えたのは、妹――レミの方だった。

「それは・・・・・・・・・・後をつけたと言いますか・・・・・」

「は?」

 しかし何とも歯切れの悪い答えだった。それに見かねたのか、姉の方が答えた。

「あなたが事故に遭ったと聴いた時に、レミが本宮の子にどこに搬送されるのか訊いたからですわ。まったく、こんな男のために必死になってしまって。みっともない」

 最後の方は俺に対する悪口だったが。

 まだ根に持ってるなこいつ。そう思ったが、口に出すほど俺は幼稚じゃない。なので、俺は二人に部屋に入るよう促した。

「個室だなんて。だいぶ贅沢ではありません?」

「俺はいつも一人部屋だったぞ。入院費は相手側にほとんど払わせたから、そんなに家計に響かなかったが」

 篠宮姉が、部屋に入って早々嫌味に言ってきたので、俺は、昔から入院するときは一人部屋で費用もそれほど掛かってない、と言った。それにレミが反応した。

「つとむさんって、前にも入院してたのですか?」

「ああ」ストレッチを三度(みたび)再開させながら俺は言った。

「事故に巻き込まれたのは今日が初めてだが、喧嘩やら強盗やらに巻き込まれたのは昔からだからな。その度に重傷だったり、骨折だったりしてよく入院してたな」

 その時に良く思ったのが、「俺、よく生きてたな」だった。今日もそう思ったが。

 それを聴いた篠宮姉妹は、絶句していた。

 なぜ? と思っていたら、姉が声を震わせながらこう言った。

「あなた・・・・・・・よくそんな平気な顔で言えますね」

「過ぎた事は及ばざるが如し。そんな言葉を知ってるからだろうな」

 俺の口調はそんなに平然としてたわけではないのだが、聴いてた二人は黙ってしまった。

 そして、気まずい空気に(俺にとって二度目)。

 それに耐えられなかったのか、姉の方がレミの手を引きながらこう言った。

「帰りますわよ。いつまでもここにいる意味は無いのですから」

「そんな!」

「それに、普通だったら面会時間はとうに過ぎていますのよ。これ以上は相手側の迷惑になります。あなたも分かりますね?」

「・・・・・・・・はい」

 渋々、といった感じでレミは従った。なお、部屋から出て行く際に「前の事はもう気にしていませんわ」と言われた。俺はとっくに気にしてないんだが。


 さて、時刻は午後七時半。風呂に入った時、俺は今日は何日だったか気になった。風呂から上がり、腕時計を見たら壊れていた。携帯も同様だった。テレビはリモコンが反応しないので、テレビカードを買ってないことが分かった(本当は買ってあったのだが、玲子たちが暇つぶしに見ていたため無くなっていた)。

 どうすっか、と悩んでいたら、ドアがノックもなしに開いた。俺はその態度で誰だか分かったので、ドアに目を向けずにこう言った。

「ありがとな、いつき。・・・・・・それにしても、見舞い客多くね?」

 そう、いつきだった。いつきは、俺が寝ている(または横になっている)ベットに近づいてこう言った。

「どういたしまして。・・・・・・・・・って、え? 篠宮姉妹しか知らないはずなんだけど、他に誰か来たの?」

 これは俺の両親以外で、という意味だろう。

「ああ。美夏、さん? と光も来たぞ」

 と言ったら、いつきは「しまった・・・・・」という顔をしていた。

「どうした?」

「いや、多分だけど、白鷺さんは独自の情報網で、長谷川さんは妹さんから聴いたんじゃないかな。・・・・・・・・・・・・ところで、二人とも、しかも片方は先輩なのにどうして名前で呼んでいるのかな?」

 途中から俺に対する質問になった気がする、と思ったが、隠すつもりはなかったので俺はさっきまでのことを正直に話した。

 話を聴いたいつきはというと、

「へぇ~・・・・よかったじゃん。モテモテで」

 と、いじけて(?)いた。

 どうやって機嫌を直そうか。そう考えて、俺はもう考える気もなく最終手段に出た。

「いつき」

「なに? 僕は今機嫌が悪いんだけど」

「いつも助けてくれてありがとな。俺はとても感謝してる」

「え、そ、そうかな」

「そうだって。俺が無茶する度に、いつもフォローしてくれるじゃん。俺、素直にありがたいと思ってるんだぜ」

「そ、そうなんだ。・・・・・・・・ぼ、僕も、いつも感謝してるんだよ」

 最終手段に出ていたら、いつきが意外なことを言った。

「? 感謝って?」

「だって、僕が巻き込んでいるのに僕に対しては何も言わないじゃん。それに、君は何の気なしかも知れないけど、昔は僕の事、よく遊びに誘ったじゃん。他の友達と一緒にさ。あの時から僕は敬遠されてたのに、君はそれを無視して遊びに誘ったよね。僕が怪我して先生に怒られても『同じ生徒なんだから怪我しても自己責任だろ』と言って先生に睨みを利かせたよね」

 俺がどういう意味だと訊いたら、いつきが昔話をしだした。

 そのことを聴いてると、当時から柄わりぃな、俺。と思えた。

 その後もいつきの話は続いた。

「なんだかんだ言って僕を保健室に連れてってくれたよね」

「先公に『保健室には連れて行け』と言われたからな。そうじゃなくても連れてくつもりだったが」

「保健室に入って、君は保険医の事を無視して僕の怪我の処置をしてくれたよね。ずいぶん慣れた手つきで」

「お前は知ってただろ? 喧嘩してると、一人で怪我の処置をしないといけないんだよ」

「その時に僕は訊いたよね?『なんでぼくのこと、遊びに誘ってくれるの?』って」

「そん時、なんて答えたんだっけ? 俺」

「その時は『遊びたそうにしてたから』って言っていたよ。嬉しかったなぁ」

そういえば、そんなこと言ってた気がする。その当時から俺は、かなり考え方が大人だったらしい(らしいとは、両親が昔の俺の話をすると必ずそう言うから)。

 一通り話が終わって、何とも言い難い雰囲気。

 そこで俺は、ふと気になることを聴いた。

「なぁ、」

「何?」

「今日は何日だ?」

 それを訊くと、いつきが驚いた。

「え? 今まで確認しなかったの?」

「ああ」

「他の人に訊けばよかったじゃない。今日は・・・・・五月四日。火曜日だよ。もうすぐ君の停学が解けるけど、明日は休みだよ」

 となんだか聞き捨てならない言葉が聴こえた。

「五月四日? 丸々二週間ほど寝てたのか? 俺」

「そうだよ。医者も『歩くことができない』って言ってたけど、君の回復力にはいつも驚かされるよ。あとね、停学明けて三日後に合宿だから。準備はしといてね」

「そんな話聞いてねぇ!! え? 何!? ドッキリじゃないの!?」

「うん」

「チクショー――――――!!」

 なんだその仕打ち!!? もはや強行スケジュールと変わらないじゃないか!! 俺、準備なんて全くしてないぞ!? と、どこにぶつけるべきかも分からない怒りに苛まれていると、いつきが帰り際、こんなことを言った。

「パンフレットとかは君の家に置いてあるよ。それと、学校で会おうね」

 その後、俺はとりあえず瞑想していたら、いつのまにか寝ていた。


 翌日。医者に「もう来ないでくれ」的な視線を受けながら退院(服は親が持ってきてくれた)。家に帰ってしたことは、まず合宿の準備・・・・・・・・となるはずが、ケイタイの新調だった。保険やらのおかげで弁償は無く、買い替えだけした(前のデータは全部消えていなかったことには驚いた)。次に、時計の新調。これには、茜といつき(どこからともなくやって来た)が一緒に来たが、結局自分で選んだものを買ったため、帰り道の二人の視線が痛かった。だって、『どっちを選ぶの?』的な視線が鬱陶(うっとう)しかったから。


 そこからやっと合宿の準備をしだしたが、やってる途中に電話がかかってくるわ、メールが来るわ、家に人が来るわで、ろくに出来なかった(それでも夕方には七割ぐらい終わらせた)。


 夕飯は、家族だけでパーティ・・・・・・・のはずが、どこで広がったのか町を巻き込んでの大騒ぎになった。あれは、凄かった。

 そんな騒ぎも終結し、俺は明日の学校の準備と合宿の準備をしていた。ただ、持ってくるものに、『テント』や、『寝袋』はどういう事か気になった。大体準備が終わったので、寝た。



 翌日。学校に行った俺は、爺さんに呼ばれ、担任に呼ばれ、クラスに入ってからは女子に囲まれて、事故について訊かれた(女子はそれ以外にも訊いてきたが)。 朝のホームルームで、担任が困った顔でこう言った。

「え~、大変なお知らせがあります。本宮いつき君ですが、本当は女子でした」

 それと同時に、あいつは入ってきた。女子の制服を着て。

 男子連中はもってのほか、女子連中も開いた口がふさがらなかった。もちろん俺もだ。

 だって、十年以上も一緒にいたのに、あいつは女子だと気付かせなかったんだぞ?

お前のほうこそ根っからの役者じゃねぇか。と思っていたら、いつきが挨拶をした。

「これからもよろしくお願いしますね、皆さん」

 笑顔で言っていたので、男子全員(俺以外)は鼻の下が伸びた。

 俺はというと、空を眺めていた。こういう時は無視が一番だ。と思っていたんだが、いつきが俺の近くの席に座って(空いてるのがここしかなかった)、笑顔を向けてこう言った。

「これからも末永く、よろしくね♪」

「あ、ああ。よろしく」

 ちなみに、俺はまだ空を眺めている。いつきが言った言葉に違和感を持ち、かつ、視線を合わせることをしなかったことに若干の罪悪感を持ちながら、どうしてこんなことを? と訊こうとしたら、教室のドアが勢いよく開いた。そこにいたのは、

「あら、本宮さんじゃありませんか。ようやく正体をさらす決心を決めたのですか?」

「会長さんの言ってることは本当だったのですね!! もしかして、正体をさらした理由って………!?」

 と、いつも通り笑顔の美夏さん(年上なので、さんづけにした)と、若干ショックを受けている光だった。あんたら、ホームルームどうした?

 この乱入者たち(?)の登場で、男子連中がいきりたち、普段からは想像もつかない大声で「「「「「コロセェェェー――!!!!!」」」」」と言って、俺に向かって走ってきた。


 反射的に俺は、窓から飛び出して校庭を走っていった。


 それを見たいつきは、思いっきり笑っていた。後で憶えてろ。


 美夏さんも笑っていた。あの人もいつきと同類か。


 光は申し訳なさそうな顔をしていた。


 俺はというと、走りながらこう言った。



「神様のバカヤロー―――――――――!!」


 まだ学園生活は始まったばかりだというのに、もうすでに疲れがたまる。

辞めたいと思う自分もいる。だけど、こんな学園生活も悪くはないと思っている自分もいた。

 なので、俺はここにまだいることに決めた。何と言われようが、何と言おうが、俺は俺の『気持ち』を守ると決めていたのだから。


 ……ま、俳優になる気はないけどな!

二幕は……三月にでも投稿しようかと。

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