表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイドルッ!  作者: 末吉
第一幕・第五話~事故と地獄は紙一重~
28/205

5-2 現場へ移動

再投稿して五か月ほど。前回より恐らく速いペースで三百ポイントになりました。四万PVいったのもおそらく早い……と思います

「ただいま」

「お帰り!! お兄ちゃん!!!」

 家に帰ったら、茜が俺に走ってきた。これから察するに、余程嬉しいんだろうな。と状況を観察していたら、

「そういえばお兄ちゃん。昨日はどこに泊まってたの?いつきさんに電話したら、来てないって言われたんだけど」

 そう茜が言ってきた。

 うわぁ~。それについて考えるの忘れてた~。どう説明しようか、と頭を必死に動かしていたら、妹の恰好が気になった。

「なぁ茜。その恰好、どうしたんだ?」

「えへへへ。気付いてくれたんだ。これはね、この日のために買っておいたんだ♪ どう? 似合うかな?」

 と回転しながら訊いてくる茜。この日のためって。そうツッコミたかったが、似合うかどうか訊いてきたので、とりあえずもう一度茜の恰好を見た。

 フム。全体的に活発そうだな。ワンピースを着てるから余計にそう思える。

とまぁ、俺の中で結論が出たから答えるか。

「よく似合ってるぜ。正直に可愛いと思った」

「お、お兄ちゃんに褒められると、やっぱり嬉しいな♪」

 答えたら答えたで、テンションが上がったみたいだ。嬉しそうに踊ってる。

 ・・・・・・・・さて、この隙に。そう思って、俺は二階に上がって着替えて、財布やら恐らく今日必要になるものを準備した。・・・・・・・いけね。なにも食ってない上に、どこに行くのかすらも分からない。

 ま、朝食は家で食べればいいし、どこ行くかは茜に訊けばいいか。そう思って一階へと降りることにした。


「おかえりつとむ」「おかえりなさい」

「ただいま・・・・・・・って飯がねぇ!!」

 リビングに行ってみると、朝飯がなかった。というか、俺の分が準備されていたかどうかすら怪しい。

 親にそのことを訊いてみると、

「泊まった所で食べてきたんじゃねぇのか? だから母さん、つくってなかったぞ」

 そう親父に言われた。畜生、こんなことになるんだったら、あっちで食べてくればよかった。と後悔しても後の祭り。こうなったらコンビニ寄って行くしかねぇなと考えてたところで、親父がこう訊いてきた。

「昨日、学校から連絡があったんだが、お前、停学受けたんだろ? 何やったんだ?」

 俺としては、昨日の事に関してはほとんど言う気がないので、こう言った。

「別に。それを言ったって何も変わらないからな。あえて言うなら、悪いことはしてない」

 そう言ったら、親父が「やっぱりか」と言って黙った。ま、黙ってくれるんならそれでいいか。と思った。そんなやりとりをした直後に、

「お兄ちゃん! もう行かないと最初から観れないよ!!」

 茜がそう言いながらリビングに着た。なので俺は、

「行ってくるわ」

「いってらっしゃい」「なんだと!!? つとむ! お前行かないんじゃなかったのか!?」

 行ってくる、と言っただけでこの有り様。いつもと変わらないなと思ったが、両親、特に親父が何やら悲しそうな眼をしていた。

・・・? いつも親父らしくないが、どうしたんだ? そう思ったが、茜が急かしてきたので家を出た。


「あいつ、昨日も大変な目にあったんだな。心配しかできないのも、つらいもんだな」

「そうだけど、心配も私達にとっては愛に変わりはないでしょ?」

「しかし、つとむの奴、本宮さんの正体に気付かないってどういうことだ?」

「それは分からないでしょ。私達だって、気付いたの三年位前でしょ?」

「ま、いいか。いまはそれより自分の息子の身の安全についてだな」

「あの子なら大丈夫よ。なんってったって、昔この町をまとめた英雄の息子なんだから」

「よせやい、母さん。まとめたんじゃなくて、治安をよくしただけだぜ?」

「そういうところも息子が受け継いだわね。唯一例外なのは」

「あの体質だけか。しかし、こればっかりはなぁ・・・・・・・・」

「神のみぞ知るって事ね」

「ああ」



 街を茜と一緒に歩いていて(ちゃんと飯は買って食べた。)、どこまで行くのかと俺は訊いた。

「駅まで歩いて、そこから電車でムサシ町まで行って、撮影現場行くんだけど…」

 どうかしたのか?

「場所が分からないんだよ。お兄ちゃん、知ってる?」

「知らん。そのドラマのタイトルは?」

「確か『男の戦い!! ~裏最強の恋を巡っての大バトル!~』だったよ」

 そういえば、長谷川が見せてきたのもそれだったような……………

 考えても(らち)が明かないので俺は、話題を変えることにした。

「そういえば、好きなアイドルとか居るのか?」

「うえぇぇぇぇ!!!? そ、そんなこと言えないよ!?」

「どうしてだ? テレビに出てる奴で好きな奴訊いてるだけなんだが」

「・・・・・あ。そうなの? てっきりお兄ちゃんも含まれてるのかと思った。で、好きな芸能人だったよね?」

「範囲が大きくなったような気がするが、気にはしない。で? 誰なんだ?」

「お兄ちゃんと同じ学校に通ってると思うけど、『(ひかり)』っていう人だよ。最近小中高生の間で結構人気なんだよ? 知らないの? って、訊いちゃいけなかったね。ごめん。」

「気にすんなよ。それにしても光、ねぇ・・・・・・・・・・写真とかないのか?」

「あるよ。前にグラビアアイドルやってたみたいだから写真集を出していてね、私つい買っちゃったんだ。・・・・・・・・・はい、これ」

 そう言って茜が写真集を渡してくれたが、さっきの説明で俺はもう誰だか目星がついてしまった。

「いい。もう誰だか分かったから」

「本当!!? さっきの話だけでよく分かったね!」

「それにサインしてもらいたいから持ってきたのか。用意がいいな」

「それはそうでしょ! 私達も町の近くで撮影がやるんだよ! 折角だからサインしてもらいたいでしょ!」

 そんなもんなのか、と言ったら何を言われるか分からないので俺は黙った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ